京都大学原子炉実験所元助教の小出裕章さんの講演会(京都府保険医協会主催)が2月24日、京都市東山区の和順会館で行われ、市民ら190人が参加しました。11日に開かれる「バイバイ原発3・11きょうと」のプレ企画として開かれたもの。

 「バイバイ原発3・11きょうと」実行委員会のアイリーン・美緒子・スミスさんがあいさつ。現在動いている原発3基を止めるとともに大飯原発を動かさないために声を上げようと同集会への参加を呼びかけました。

 小出氏は「福島第一原発の現状と課題について」と題して講演。原発事故から7年たった今も事故は進行中で、原子力緊急事態宣言が解除されていない事実と日本という国の異常さを考えて欲しいと強調しました。原発敷地内は、汚染水の貯蔵タンクで埋め尽くされ、果てしない放射能の封じ込め作業と労働者の被曝が続いていると指摘。2014年10月、敷地内の井戸で検出されたセシウム134は、環境への放出基準の1000倍にも達したと述べました。

 約8万人もの福島からの避難者の苦悩や放射性物質による汚染被害について触れ、「国は1年間に1㍉シーベルト以上の被曝をしてはならない法律があるのに、緊急事態だから20㍉までは我慢しろという。20㍉は放射線を取り扱う放射線業務従事者に対する基準。国は緊急事態を理由に特措法を乱発し、棄民を続けている」と非難しました。

 福島県で小児甲状腺がんが多発している検査結果に触れ、「大人には原子力の暴走を許した責任がある。自分が被曝しても子どもたちを被曝から守るのが大人の責任だ。互いの苦悩を認め合い団結して国、東京電力と闘おう」と呼びかけました。