京都市が2017年12月5日に公表し、市民意見(1月12日まで)の募集を開始した「民泊」規制のためのルール案について、住民、専門家、日本共産党市議団の意見を紹介します。

 「民泊」の規制を含め、京都市のまちづくりのあり方の研究会を重ねてきました。私は、ルール案は住環境の保全の見地からすると極めて不十分だと思います。良質な「民泊」を一定認めることは必要でしょう。しかし、基本は、住民が安心して住み続けられることであり、市が策定を予定する「民泊」条例の基本理念に、その保障を盛り込むべきです。
 住環境の保全の見地からルール案を検討すると、2つ重大な問題点があります。
 一つは、住居専用地域だけを制限区域としている点です。京都の多くの観光スポット周辺の用途地域は、近隣商業地域(歴史的市街地)や準工業地域(西陣)です。こうした一帯で、細街路に面して静かな住環境が維持されてきた地域は、制限区域とすべきです。
 二つ目は、長屋や2戸一などの連棟式住宅はもちろん、路地(行き止まり)、図子(通り抜け)など細街路沿いの住宅は実質的には「共同住宅」です。
 ルール案では、分譲マンションでの営業規制のため、管理組合が「民泊」を禁止していないことを示す書類の提出を事業者に求めていますが、長屋、連棟式住宅や細街路沿いの住宅でも地域住民の同意を要件とすべきです。

(「週刊京都民報」12月24日付より)