今年7月に閉館した「立誠シネマ」(京都市中京区)を運営していたシマフィルムの田中誠一氏らが12月28日、京都市上京区の出町桝形商店街にミニシアター出町座をオープンさせました。

 2階(48席)と地下1階(42席)にシアタールーム、3階にシネマカレッジなどの教育事業を行うスペースを設け、1階にはおしゃれな書店とカフェの複合スペースを併設しています。

 立誠シネマは個性的な作品を上映するだけでなく、映画監督の講演会や映画人育成の「シネマカレッジ京都」を展開し、新作の製作につなげるなど、京都を拠点とした映画文化の発信基地として機能してきました。同座の田中代表らは、新天地でも立誠シネマの活動を引き継ぎ、発展させる意向です。

 28日には、世界初の実用カラー写真の開発者・リュミエール兄弟の映画製作・上映秘話などを描いた『リュミエール!(オリジナル字幕版)』、立誠シネマで上映してきた『FORMA』を上映しました。

 向日市から来館した由良真介さん(35)は、「立誠シネマが閉館して残念だったが、新しい地でスタートできて良かった」と喜びます。 桝形事業協同組合(出町桝形商店街)理事長の井上淳さん(71)は「待ちに待った開館。こんなすばらしい映画館ができたのはチャンス。商店街ともども発展していきたい」と話していました。