■大阪電気通信大学教授(憲法学)/国民に支えられた近代政党

 安倍政権は史上初めて選挙の重点政策に改憲を掲げ、「自衛隊明記」を打ち出しました。今まで、戦力の不保持、交戦権の否認を定めた憲法9条2項の制約が機能したからこそ、自衛隊は憲法違反の存在として野党から逐一説明を求められ、集団的自衛権行使に踏み切れなかったのです。憲法に明記されれば、9条2項は完全に死に、自衛隊への制約はなくなります。日本社会は劇的に変化するでしょう。

 改憲を食い止める最も確実で有効な方法は選挙で共産党を躍進させることです。共産党は政策立案能力、論戦力にたけ、議員1人ひとりの能力も高い。何よりも、財政面でも企業献金、政党助成金を受け取らず、個人献金や機関紙事業、党費など、国民に支えられた近代政党である点が信用できます。

 米国や財界、マスコミの圧力により国の政策が左右されるこの国では、国民の要求に根ざした政策を掲げても、企業献金や税金に依存した政党では、企業や政府の圧力を前に政策を貫けないからです。