20160131-01 

 京都市長選挙をめぐり、「オール与党・相乗り」の現職で、3期目を狙う門川候補(65)=自民、公明、民主、社民府連推薦=の陣営に矛盾が広がっています。門川市長のトップダウン・独断専行の政治に対して、これまで門川氏を応援してきた保守層や団体から「今度は応援できない」との声が相次ぎます。一方、戦争法を強行した自民・公明両党が牛耳る同陣営に民主党が相乗りしたことで、民主党元市議などからも嘆きの声が出る事態となっています。

■学校跡地民間提供「絶対アカン」

 「本心は門川市長応援やないよ」。上京区西陣学区に住む男性は、1枚の用紙を手にしながらこう言いました。その用紙は、1月16日に門川陣営が開いた「総決起大会」の参加票。「参加はするけどね。地元の西陣小学校跡地を民間企業に貸し出すのだけは絶対アカン」。

 門川市長が推奨する学校跡地(15校)をホテルなどの民間事業者に提供する計画に、各種団体の役員などからも批判の声が湧き起こっています。
 上京区の市政協力委員の男性は「もうけだけを求める市長でいいのか。市民のことを考える市長でないと困る」と訴えます。
 対象校・元新洞小(左京区)の学区で各種団体役員を務めてきた女性も「学校は市民が寄付してつくった地元の誇りある施設。それを何の相談もなく勝手に民間になんて・・・。そんな市長はもういらないでしょ」と語気を強めます。

 車の総量規制を行わず車線を減少したため、大渋滞を引き起こした四条通についても同様です。
 これまで門川候補を推薦してきた連合系タクシー労組。しかし、事務所には民主党国会議員のポスターだけが張られていました。その理由について、同労組メンバーは「歩道拡幅は歩行者にとってはいいかもしれないが、タクシードライバーにとっては良い結果とは言えない。今回も推薦依頼があったが、応援することはできない」と説明します。

 告示日(24日)。門川候補は第一声で、こうした批判の声を念頭に「謙虚に反省すべきは反省」と述べたものの、「理念、政策はすばらしかった」と居直りました。
 四条通の北側、京都を代表する商店街「錦市場」(中京区)で鮮魚店を営む男性社長は怒りをあらわにしました。「観光客は増えたかもしれないが、四条通の混雑で地元のお客さんは遠のき、売り上げは減る一方だ。門川市長にはもう何の期待もしていない」

■民主元市議「批判ある」

 「オール与党・相乗り」にも批判が上がります。門川陣営の出陣式での弁士の訴えは、道理のない「相乗り」のため、〝反共〟のオンパレード。門川候補自ら「京都を共産党の支配するまちにしてはならない」と叫び、各党幹部も「世界の都・京都を共産党の都にしてはいけない」(竹内譲・公明党府本部代表)、「市議会で少数の共産党に市政をまかせたら市政は停滞する」(前原誠司・民主党元代表)と述べるなど、野合ぶりを示しました。

 政治の劣化に、民主党元市議は「支持者から、国政で自民党と対決している時に、なぜ市長選で相乗りするのかと批判の声が上がっている」と言います。「大事にすべきは戦争法反対、憲法を守れの市民の運動に依拠して、政治を動かしていくことではないのか」(「週刊しんぶん京都民報」1月31日付より)