20150824-01 戦時中、留学先の京都で母国語である朝鮮語で詩を書いたために治安維持法違反容疑で逮捕され獄死した詩人・尹東柱(ユン・ドンジュ、1917―45)。死没70年を迎える今年、尹東柱の想いを今に繋げようと活動する宇治市の市民団体が10月4日に同市内で、尹東柱の生涯と作品、生きた時代を音楽と朗読で伝える構成劇を上演します。

 主催は「詩人尹東柱記念碑建立委員会」「詩人尹東柱を偲ぶ京都の会」。上演するのは、「いのち輝く宇治川のほとり」(企画構成・詩人尹東柱記念碑建立委員会、作曲編曲・朴実)と題した作品で、今回で23回目となる「詩人尹東柱の想いを今につなぐつどい」の戦後70年特別企画としています。

 両団体のメンバーらは24日に宇治市内で記者会見を行いました。「偲ぶ京都の会」代表の紺谷延子さん(67)は「尹東柱のように、生きたくても生きられなかった人が多くいたという、憲法が生まれる前の状況、過去を知ることが大事です。ぜひ多くの人に参加して知ってもらいたい」と呼びかけました。

 朴実(パク・シル)さん(71)は、「日本の植民地支配から朝鮮半島が解放される半年前に、27歳という若さでなぜ死ななければならなかったのか。尹東柱を思うと胸が本当に痛みます。日韓関係が厳しい時代だが、いつか『こういう時代があったね』と言い合える関係になることを信じて作曲しました。ぜひ多くの方に参加してもらいたい」と話しました。

 現在、構成劇に合唱で参加する「尹東柱モイム合唱団(混声3部)」のメンバーを募集しています(参加条件あり)。26日(水)午後6時半から、宇治市民会館地下音楽室で初回の練習があります。

 10月4日(日)午後1時40分~3時40分(開場1時)、宇治市生涯学習センター大ホール。一般1000円、中・高・大生500円。問い合わせ℡0774・24・7094(紺谷)。