京都市立病院院内保育所、青いとり保育園(中京区)の運営をめぐり、病院が公募で示した上限額より3000万円も低い額で運営を受託したアートチャイルドケア㈱=大阪府大東市=が、職員の給与はこれまでの半額以下を提示し、同園労組との団体交渉も拒否しました。この事態を受け、同労組は「これでは働き続けられないし、保育の質も守れない」と怒りの声を上げています。

給与半額以下 「働き続けられない」

京都市立病院院内保育所 問題は、市立病院(運営・地方独立行政法人)が2015年度~18年度の同保育園の運営委託事業者を公募した際、委託額の上限9650万円(年間)を大きく下回る6636万円を提案したアートチャイルドケアを選定(昨年11月)したために起こったもの。
 現在、同園はピジョンハーツ(株)=東京都=が年間7096万円の委託費で運営していますが、経営は毎年赤字。新年度からは、地域からの児童も受け入れ、定員は45人から60人に増員されるのに、さらに低い委託費での運営となります。
 福祉保育労京都地本青いとり保育園分会は、職員全員の継続雇用などを求め、病院とアートチャイルドケアに2回(12月、1月)申し入れ書を提出。保護者会も昨年、同社に質問状を提出し、保育内容が悪化すれば働き続けられないと、保育と職員の雇用の継続を要求してきました。
 しかし、同社は「雇用の継続」どころか、給与などの労働条件を一切示さず、病院、同社とも団体交渉を拒否。ようやく1月末に示された給与額は、月額約33万円のベテラン職員も含め、16万2000円(時間外手当を除く)となることが明らかになりました。
 同労組は1月29日、京都府労働委員会に病院、同社それぞれとのあっせんを申請。30日には、病院前で抗議の宣伝を行いました。宣伝には、市職労病院支部、福祉保育労、京都医労連、京都総評など7労組から50人が参加し、闘いを激励しました。
 青いとり保育園分会長の北垣光代さんは、「闘いは私たちだけの問題ではありません。京都の保育の質を守るため、頑張り抜きたい」と話しています。(「週刊しんぶん京都民報」2015年2月8日付掲載)