不破街宣 総選挙投票日(14日)まで残る4日となるなか、大激戦、大接戦の近畿ブロックでの躍進、京都1区でのこくた恵二候補の勝利に向けて、日本共産党の不破哲三前議長が10日夕、京都入り。9年ぶりに四条河原町でマイクを握り、沿道いっぱいに詰め掛けた5200人の聴衆を前に、「戦後69年引き継がれてきた京都の民主・革新の底力を思う存分発揮して、近畿ブロック躍進とともに、こくたさんの勝利で小選挙区制の岩盤に再び風穴をあけよう」と力強く呼びかけました。
 「京都の奮闘ぶり、激戦ぶりに矢も盾もたまらず駆け付けた」と切り出した不破氏は、京都は日本文化の豊かな歴史とともに、「政治の舞台でも日本を動かす大きなうねりが起こるたびに、その先頭に立つという輝かしい歴史を刻んできたまち」と指摘。「日本の夜明けは京都から」のスローガンを生んだ1970年知事選や旧京都1区(定数5)で谷口善太郎さん、梅田勝さんの2人を当選させた1972年総選挙、初の小選挙区制が導入される中、京都3区で寺前巌さんが風穴を明けた1996年総選挙などの京都のたたかいを振り返り、「そして、今新しいうねりが起こり始めている」として昨年の参院選で定数2の京都選挙区で倉林明子参院議員を当選させたことが日本全体を驚かせたと訴えました。
 「自共対決」の選挙戦となっていることにからんで、現在の自民党がかつての自民党ではないと強調。雑誌インタビューで、自民党元幹事長の野中広務氏が安倍政治について、「安倍さんは東京裁判を否定したいんだ。この道を進んだら、日本という形が壊れてしまう」と警鐘を鳴らしたことを取り上げ、「何十年と京都の自民党陣営の中心にいた野中広務さんがここまで明言されていることを深く考えて欲しい」と呼びかけました。
 その上で、日本の侵略戦争を美化・肯定する動きの源流となった自民党の歴史教科書議連(日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会)の初代事務局長が安倍晋三氏だったことを紹介し、「東京裁判を否定したいという政治の流れが、安倍第2次内閣のもとで政府と自民党をのっとってしまった。だから今、野中さんや古賀誠さんのような古い幹部が自民党の中で居場所を求められなくなっている」と強調しました。
 安倍首相が国家公安委員長に任命した山谷えり子参院議員が日本のネオナチ団体とツーショット写真を撮り、問題になったことをめぐり、「ネオナチとはヒトラーのやった戦争を擁護するからネオナチという。欧州で少し勢力が大きくなったといっても、民主政治の仲間入りはさせられない政治勢力」とした上で、日本の戦争を侵略戦争と認めないばかりか、自存自衛・アジア解放の戦争と言い募る安倍首相は「まさにネオナチと同じ」と批判し、「来年に第二次世界大戦後70年という節目の年を迎える中で、あの戦争は正しかったと言っている人が首相をやっている国が世界のどこにあるでしょうか。このままでは野中さんが警告したように日本という形がなくなってしまう。自民党候補へ1票は、日本のネオナチへの1票となる」と訴え掛けました。
 また不破氏は、こうした日本版ネオナチ政治に対決する勢力が日本共産党しかないという、現状の根源に政党助成金があるとして、「この制度ができてから、政党を作る時に綱領や政策ではなく、どうやってこの税金を手に入れるかが目的になってしまった」と問題を投げかけ、「『身を切る改革』を言うなら、日本政治を腐らせている政党助成金をばっさり切ることが第一。こんな国民の税金にひたりこんでいる政党がどうして本気で安倍暴走と対決し、本当の国民的な改革の力が出せるのか。百害あって一利なしの政党助成金をきっぱりやめさせよう」と訴えました。
 最後に、消費税増税、原発再稼働、集団的自衛権、沖縄新基地建設などどの問題でも国民多数が反対しているにもかかわらず、こうした声に耳を傾ける姿勢を持たない安倍政権について、「国民がどう言おうが『この道しかない』というのはまさに独裁政治の看板。安倍政治の強権に正面からたたかう力を持つのが日本共産党。全力をあげて、『日本の夜明けは京都から』のこの伝統を今度の選挙でもよみがえらせようではありませんか」と締めくくりました。