能囃子コンサート 「この国のクラシックを知らない人へ」とのふれこみで、能囃子を音楽として聴くコンサートが28日、京都市上京区の京都府立府民ホールアルティで開かれ、約280人がいにしえの響きに耳を傾けました。
 主催は日本国際連合協会京都本部。日本の国連加盟前に民間の国連活動支援団体として設立(1948年)し、国連への理解と認識を深めるため諸事業を行っています。毎年クラシック音楽を中心に「国連音楽会」を開催し、今回で61回目。日本の伝統音楽の演奏会は初めてです。
 出演は京都を活動拠点とする能楽囃子方の団体・京都能楽囃子方同明会。2003年から2010年まで能楽囃子方の音楽性にスポットをあてた「囃子堂」公演にとりくんできました。
 笛方・森田光廣氏(森田流)が案内役をつとめ、曲目や演者の所作などを解説。笛の左鴻泰弘(森田流)、小鼓の吉阪一郎(大倉流)、曽和尚靖(幸流)、大鼓の谷口正壽(石井流)、井林久登(石井流)、太鼓の前川光範の各氏が、楽器の構造や演奏法などわかりやすく紹介し「祈り」、「三輪」、「羯鼓」、「獅子」などを演奏しました。
 会場には人間国宝の小鼓方・曽和博朗氏(幸流)の姿もありました。