労働者派遣法”改正”問題 京都弁護士会は19日、京都市中京区のラボール京都で、安倍政権がすすめる労働者派遣法”改正”問題について考える集会を開き、200人以上が参加しました。
 同会の小嶋敦副会長があいさつ。派遣法改正に反対する会長声明を3月に発表したことを紹介し、「非正規雇用が増える中、こうした”改正”が実施されると、生活に大きな影響を与えると反対声明を出しました。派遣法問題を学び、ともに考えていきたい」と述べました。
 京都弁護士会会員で立命館大学法学部教授の吉田美喜夫氏が「派遣法『改正』を考える」と題して講演。吉田氏は1985年の派遣法成立以降、対象業務を広げ続け、03年には製造業務への解禁が行われるなど、派遣業務が拡大してきた歴史を解説。安倍政権の”改正”の狙いについて、「『世界で一番企業が活躍しやすい国へ』という方針のもと、規制を緩和し、期間の定めをなくし派遣として使い続けることができるもの。労働者を『奴隷』のようにする制度を改め、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の理念を実現しよう」と語りました。
 派遣・非正規雇用などで裁判をたたかってきた労働者が現場からの実態を告発。自治体のシステム業務で働き、雇い止めされた男性は「会社の都合で、突然雇い止めされました。裁判で負けたのは非常に悔しいが、これからもたたかっていきたい」と語りました。
 中村和雄弁護士が派遣法改正の情勢つについて報告。22日の今国会会期末までの成立は困難となり、秋の臨時国会で改めて政府が成立をめざしてくることなどを説明し、「弁護士会がこうした集会をラボールで開くのは初めてだと思う。さらに非正規雇用の実態を明らかにし、労働者のみなさんとも力を合わせ、労働法制改悪反対の運動を大きくしていきたい」と語りました。