シカ、サル、イノシシ、クマなど野生動物による農林業被害問題について研究する京都府有害鳥獣問題研究会は18日、京都市上京区の府職員福利厚生センターで第4回総会と「京都の有害鳥獣問題を考える集い」を開きました。
 集いでは、京都府鳥獣自然保護部会の村上興正会長が「京都府における獣害と対策の現況」と題して講演。「鳥獣害対策をするにあたって、シカ、イノシシ、サル、クマなどそれぞれ個別の対処が必要」と述べ、主にシカとクマ対策に絞って府内の状況を解説しました。シカについては捕獲数が増加しながらも個体数が増え、分布が拡大している状況を説明し、メスの捕獲数や農作物を守る柵の設置の増加、森林を広葉樹に転換するなどシカの生息地を保全することを強調しました。クマ対策については、ツキノワグマの人身事故を回避するために事前に対策をすることや、学習放獣の実施、隣接県との保護管理と連動した広域管理の議論が必要と説明。最後に「地域によって実情が大きく違う。地域が主体になって、鳥獣害対策をしていくことが重要」と述べました。
 府内各地で対策に取り組んでいる参加者から「鳥獣駆除できる人づくりが重要」「駆除した動物の焼却施設の設置が進められている」「猟友会と駆除隊のあり方を再検討すべき」などの発言があり、各地の状況を交流しました。