冨田関大教授 伏見革新懇は1日、伏見区内で「講演会・総会」を開き、46人が参加しました。
 第1部では、関西学院大学法学部教授の冨田宏治氏が「安倍政権の行方と政治革新の展望~日本型『企業国家』の断末魔の中で~」と題して講演しました。冨田氏は「秘密保護法でも自民党は暴走している。これは、復活した自民党の強さだと勘違いしがちだが、実は彼らの弱さのあらわれだ。自民党政治は議席数がいくらあってもぜい弱な基盤の上にある。今起こりつつあるのは、特に1980年代にピークを迎えた日本国家のあり方が終わろうとしている。まさに断末魔の状況が20年位続いている。もうにっちもさっちもいかなくなっている。それを支えてきた自民党もついえようとしている。自民の暴走に、このままでは大変なことになるという危機感も大事だが、それ以上に展望を持ってしっかりたたかっていくことが大事だ」と強調しました。
 大敗した2009年総選挙から得票数を減らしたうえでの自民の大量議席獲得だと指摘した冨田氏は、「『風』によって大量得票する政治は終わった。もはや『風』にはあおられず、行き場を失った1000万~2000万の有権者に、対面的な政治対話を通じて強固な支持を広げる組織戦・陣地戦の時代になった」と述べました。そして、日本型「企業国家」が大きく行き詰まっていること、小泉構造改革、自民から民主への政権交代、橋下維新=ハシズムの跋扈ばっこ、自民党政権の復活をどう見るかなどについて詳細に明らかにしました。最後に冨田氏は、「安倍自民党にはあせりとおごりがある。彼らは決して強くないことに確信を持ちその命脈を断つたたかいを進めよう。東北大震災以後復活しつつある連帯、協同、助け合いを手掛かりにしながら、米国、大企業、霞が関官僚主体の日本型『企業国家』とは違う像をトータルに描き、これを対抗軸にしながら、個別の課題でもたたかいぬき、多くの人々との徹底的な対話を広げ、政治を変える強固な基盤を作っていこう」と呼びかけて講演をしめくくりました。
 冨田氏の講演には、「暗い気分になりがちな中で勇気づけられた」「明るい展望があることがよくわかった」などの感想が出されていました。
 第2部の伏見革新懇2013年総会では、青年革新懇・青年分野の活動、職場革新懇、秘密保護法のたたかい、原発、知事選問題などについて討議し、事務局から提案された「激突の情勢 政治を変える新しい共同・革新懇運動の飛躍」をめざす2014年の運動方針案などの総会議案を全会一致で採択し、58人の世話人を選出しました(S)。