戦争孤児追悼法要 京都府の戦争孤児一時保護施設「伏見寮」で亡くなった8人の子どもの追悼法要と講演、つどいが、遺骨・遺髪を保管してきた京都市下京区の真宗佛光寺派大善院(佐々木正祥住職)で営まれ、関係者ら約40人が参加しました。
 主催者の佐々木住職が「縁が重なって追悼法要が出来た。若い人が戦争遺族のことを考える機会になれば」とあいさつ。
 講演は京都の戦争孤児について研究中の本庄豊・立命館中学校・高等学校教諭が行いました。本庄氏は、「空襲をまぬがれた京都駅に数千人の子どもたちが集まり、暮らしていた。大量の戦争孤児がいたことが教科書にも載らず、歴史からドロップアウトしている」と調査・研究の必要性を解きました。
 つどいでは、伏見寮職員の遺族らが当時の思い出を語り、立命館宇治高校生徒の歌唱指導で「伏見寮の歌」などを歌いました。伏見寮以外の戦争孤児保護施設関係者もあいさつしました。境内のギャラリーでは戦争孤児や保護施設の写真が展示されました。
 本庄教諭の指導を受けて中国からの引き揚げ孤児について調べている立命館大学の学生(21)は「戦争を今までゲームのようにとらえている部分があったが、戦争中も戦後も苦労して生きていた子たちのことを知り、戦争のイメージが変わった。戦争は終わっても人々を苦しめるものだとわかった」と語りました。