五条坂陶器市 7日から10日の4日間は京の夏風物詩の陶器まつりが開催されています。出店で規模と歴史を誇る五条坂の陶器まつり「大陶器市」で、川端通りから東大路までの五条通り南北歩道で行われています。
 元々は大正時代に近くにある六道珍皇寺の精霊迎えに訪れた参拝者をあてこんで始められた露天市で、五条通りに面した陶祖大神の若宮八幡宮(通称陶器神社)も同期間中大祭と御輿巡行も行われます。五条坂界隈には室町時代から清水焼の名工が輩出し製法と意匠が追求され西陣折り、京友禅と並ぶ京の代表的伝統産業となりました。陶器まつりでは地元京焼き(清水焼)はもちろんのこと遠く有田・瀬戸・九谷・信楽など全国各地から400店の出店し、全国最大の陶器市の規模で大勢の人が訪れ品定めや気に入った陶器を買い求めていました。
 37度を上回る強烈な猛暑の中、東京から訪れた若い男女は真っ白のお茶碗を購入して「この秋結婚します。これは記念の陶器にとの思いです。でも京都は熱いね。熱波だ」とニコニコ顔で新しい門出を準備していました。また、大阪箕面市から訪れた年輩の2人連れで大きなレジ袋を持つ女性は「お皿、蕎チョコ、ぐい飲みなど小物を買いました。これから大皿やお茶碗の品定めです。毎年この店に来て壊れたお茶碗と同じ物を買って補充しています。さぁ、もう10年はなるかな。体力がつづく限り来ようと思っていますが、あと何年来れるかな?」と言えばかなり年輩の露天主は「お宅さんら、まだまだ30年は来れるし、元気に来てもらわんと」と返せば「そうやったら。この店も30年つづけて出してもらわんとね」と会話も弾んでいました。(仲野良典)