業者支援の政治に変えて

着物の精練加工会社「幸明精練」の社長・幸明昌信さん

 丹後ちりめん織の工程「精練」の職人です。大きな釜でお湯を沸かし、生糸に付くのり状のセリシンという物質を取り除く作業です。大量の灯油を使うので、原油高騰の影響を大きく受けています。
 約20年ほど前は灯油200リットルあたり8000円だったものが、現在2万3000円ほどに上がっています。灯油は倍以上、電気代・水道代も値上がる中で、加工賃は上げてきませんでした。着物業界全体の不況もあって売り上げはピーク時の3分の1ほどに減っています。
 この灯油代ではやっていけないので仕事が減るのも覚悟し、腹をくくって加工賃を上げさせてもらいました。先代の父親から80年ほど続けていますが、やっていけるかどうかギリギリのところで頑張っています。
 アベノミクスといっても、うちへの影響は経費が上がっただけで、何も良くなっていません。昔は業界として自民党を支援してきたようですが、もう期待できません。日本共産党含め、野党にがんばってもらって、中小業者や伝統産業を支援する政治に変えてほしいと思っています。(中京区)
「週刊しんぶん京都民報」2013年6月30日付掲載)