憲法記念春のつどい 「憲法記念 春のつどい」が25日、南区の京都テルサで行われ、弁護士や学者、市民ら120人が参加しました。京都憲法会議、自由法曹団京都支部、憲法を守る婦人の会の共催。 
 龍谷大学法科大学院の田中則夫教授が「尖閣問題の平和的解決に向けて」と題して講演。尖閣諸島や竹島、千島列島をめぐる領土問題の複雑な歴史的背景や両国間の条約や協定などを年表や地図で解説しました。とくに尖閣諸島問題で、日本政府が「話し合うべき領土問題は存在しない」とかたくなな態度に終始していることについて、1972年の日中共同声明や78年の日中平和友好条約で、尖閣問題については両国が棚上げしてきた経過に触れ、「棚上げは紛争解決のひとつの工夫であり、紛争があることを前提にして話し合うことが大切ではないか」と述べました。
 また、国際司法裁判所による領土問題の解決方法では、紛争が始まった決定的期日を定め、いずれの国が平穏かつ実効的に統治管理して来たかなどが重要だとして、尖閣問題では中国が領有権を主張し始めた1971年が期日になると指摘。「法的には日本に領有権があると思う。しかし日本の対応はまずく、中国も乱暴だ。もっと辛抱強く、冷静に対処すべき。それなのに安倍首相の発言や改憲の行動は、東アジア諸国からかつての侵略と結び付けられ、事態を複雑化させている」と平和外交努力の必要性を強調しました。
 京都憲法会議幹事の中島茂樹・立命館大学教授が憲法をめぐる情勢を報告。自民党の憲法改正草案は復古的な超国家主義に基づく憲法破壊であり、平和国家から軍事国家へ向かう危険な内容だと指摘。その背景にバブル崩壊後の日本の経済的没落への不安、対外的標的としての北朝鮮などの動きなどがあると述べました。
 米軍基地建設反対丹後連絡会の石井内海副会長(丹労連議長)が、米軍専用レーダー設置反対の運動の現状を報告するとともに支援を要請。TPP参加反対京都ネットワーク事務局の浜松章さん(京都府保険医協会事務局)がTPP参加反対運動への参加を呼びかけました。
 憲法会議の木藤伸一朗事務局長が、憲法問題の学習会を広げようと提起。講師要請に弁護士らが応えるともに、学習パンフ「改憲問題の基礎知識―憲法改正問題の焦点がすっきりわかる!」の普及を訴えました。