電機・情報業界で、13万人ものリストラ計画が進められ、対象者を退職に追い込む「追い出し部屋」が問題になっています。日本共産党の倉林明子参院京都選挙区候補は、府内のNECシステムテクノロジー社に勤務し、「追い出し部屋」に入れられながらもたたかう労働者、芝田義彦さん(40代、仮名)と対談。不当なリストラ面談の実態や、労働組合運動、大企業や経済の問題について語り合いました。

倉林明子“元気対談”(2)

 倉林 大企業による不当なリストラや、退職強要を行う「追い出し部屋」が社会問題になっています。芝田さんの実態を教えて下さい。
 芝田 NECの子会社で、情報システム作成など、システムエンジニアとして20年以上働いてきました。昔は社内で表彰されたこともあるんですよ。それが昨年春に突然、上司から「あなたには仕事はありません」と言われ、退職強要の面談を4回受けました。
 倉林 表彰を受けるほど会社に貢献してきたのに、突然リストラですか。許せへん。
 芝田 退職を拒否したら異動させられました。今は「仕事をさせない」という嫌がらせを受けています。朝出社しても、ずっと机の前でただ座っているだけ。机も1人だけ古いもので、周りにさらしものにされているようです。残業代や手当もなくなり、給料も激減。本当に「追い出し部屋」です。
 倉林 ひどいいじめですね。退職強要のリストラ面談、労働者を締め出すロックアウト解雇…。NECだけでなく、IBMやシャープなど世界的な大企業の退職強要は許せない。
 芝田 私は仕事を続けたいと弁護士さんなどに相談し、個人加盟の労働組合「電機・情報ユニオン」に入りました。「元の仕事に戻せ」と団交し、たたかっています。
 倉林 元の職場に戻れるよう応援します。電機・情報業界でリストラ計画が進められ、たくさんの人が同じように苦しんでいます。芝田さんのように労働組合に相談してほしい。
 芝田 何万人もがリストラされましたが、ほとんどの人が泣き寝入りしているのが現状です。労働者が会社に勝てるということを知らない。僕達が頑張って成果を上げれば、もっとたくさんの人が声を上げてくれると思っています。それを知らせるためにホームページ(電機・情報ユニオン関西地方本部)も作り、運動を広げようと思っています。
 倉林 素晴らしい!
 本当に希望の星ですね。日本共産党はリストラをやめさせ、大企業の内部留保を使って賃上げに取り組くむことなどを訴える「働く人へのアピール」を発表しました。大企業の中に芝田さんのような人がいて心強い。力を合わせてリストラをやめさせましょう。

[[SplitPage]]

 芝田 リストラは企業の競争力を弱めると実感しています。NECは、パソコンなど製造部門を縮小し、技術者をリストラしています。コストは下げられても、将来の産業・技術を失っています。
 倉林 大企業が株価や時価総額優先で、目先の利益しか追っかけていない。企業自身が、将来像を描けていないのではないですか。
 芝田 本当にそうです。社員も会社がどの方向に向かっているのか分からない。リストラで脅しをしても経営者と社員に信頼関係は生まれません。もっと安心して働ける環境なら将来像が見えてくるはず。利益追求だけではダメです。会社というのは近江商人のように三方よし「売り手よし、買い手よし、世間よし」で、やっていかないと。
 倉林 雇用を守ることが、会社自身の発展につながるはずですね。大企業は特に社会的責任を果たすべきです。
 芝田 今、会社側が新しい部署をつくり、賃下げを狙う動きがあります。リストラだけでなく、賃金や労働条件を守るたたかいをしています。
 倉林 経団連が定期昇給の見直しなど賃下げを打ち出しています。デフレの中で賃下げをしても景気は悪化するだけ。私たちの「大企業の内部留保を活用すれば賃上げはできる」という政策に、安倍内閣からも賛同する声が出ているんですよ。賃上げ実施も実現させましょう。
 芝田 政治がリーダーシップをとって、今の状況を変えてほしい。次の参院選挙で日本共産党に大きくなってほしいと思っています。これまで接点はなかったんですが、ニュースはよく見ていて、共産党は良いこと言ってるなあと思っていたんですよ。
 倉林 ありがとうございます。リストラ阻止と賃上げ、経済再生へいっしょに頑張りましょう。(「週刊しんぶん京都民報」2013年3月3日付掲載)