7月の参院選で議席奪還を目指す日本共産党の倉林明子参院京都選挙区候補(京都市議団幹事長)が府内の各界各層の人たちを訪ねて交流する「元気対談」を今号から始めます。第1回は、今年結成4周年を迎える「男性介護者と支援者の全国ネットワーク」(男性介護ネット)事務局長で、立命館大学産業社会学部教授の津止正敏さん(59)です。

倉林明子“元気対談”(1)

 倉林 かつて介護の担い手は嫁、妻、娘と女性中心でしたが、急速に男性介護が広がっていますね。
 津止 ええ、今や主たる介護者の3人に1人は男性、その数は100万人を超えています。2006年に伏見区で認知症の母親を息子が殺害するという事件が起こりましたが、介護と仕事、家計、孤立など介護する男性が抱える課題が注目されるきっかけになりました。
 倉林 よく覚えています。生活保護を受給させなかった福祉事務所の対応も問題になりました。市議会代表質問で、伏見区選出の同僚議員(佐藤和夫氏、当時)が涙ながらに追及しました。
 津止 介護保険がスタートして13年目になりますが、虐待や殺人などの不幸な事件は後を絶ちません。こうした事件の加害者の多くは男性です。介護者への支援と介護退職をゼロにする仕組みづくりがどうしても必要です。

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財源ありきの制度おかしい

 倉林 94年に府議になるまで看護師としてリハビリ病棟や老人病棟にいました。在宅を目指すのですが、高齢の夫が妻を介護する場合、慣れない家事でストレスを抱えたり、逆に夫が倒れてしまうような老老介護をいくつも見てきました。「施設が足りない」「保険あって介護なし」という施行前の危惧はすべて現実になりました。介護保険は限界を迎えています。
 津止 本当にそうです。結局、新しい財源を作る観点で保険という仕組みに目をつけたので、サービス量を増やしたり、基盤整備を進めると保険料にはね返る。逆に今の金額でなんとかしようとすれば、サービスの質を落とすか、利用を減らす方向にしか向かない。
 倉林 最初から利用に上限がありましたしね。介護の中身を見ても、同じ介護度の判定でも、人によって必要なサービスはさまざまですが、画一化されてしまいました。利用者の生活実態を考えながらニーズを満たしていくやり方はできなくなりました。
 津止 財源に縛られて制度設計するのでは本末転倒です。社会保障の分野では、日本社会の成熟度が立ち遅れていると感じます。

生存権脅かす社会保障削減

 倉林 消費税増税とセットで、「自助・自立」を社会保障の基本に据えてしまうぐらいです。財源論ありきで理念抜きです。
 津止 要介護・要支援認定者は500万人を超えています。介護者や家族、友人・知人を含めれば、介護や社会保障の切り捨てを「とんでもない」と合意できる人が数千万人の規模でいるはずです。
 倉林 小泉「構造改革」以降、社会保障が財政悪化の根源のように言われます。今国会では、生活保護の基準引き下げが打ち出され、生存権を脅かすところまできています。命守る政治に変えるためにも、大企業への政策減税や軍事費、大型公共事業に大盤振る舞いの政治を根本から転換したい。
 津止 医療、介護の現場のど真ん中に身を置いてきた倉林さんに国政の前線で私たちの声を代弁してくれるとありがたいです。ぜひ、介護の応援団になってください。
 倉林 ありがとうございます。期待に応えられるよう、全力で頑張ります。(「週刊しんぶん京都民報」2013年2月24日付掲載)