雪の中のスイセン 春先にチョットした庭先や道ばた、花壇に咲く白や黄色のスイセン。写真は京都最北端経ケ岬最北端の京丹後市丹後町の民宿裏地に吹雪の中を咲くかわいい一輪のスイセンです。いつまでも続く雪ちらつく丹後地方ですが、春の訪れも感じられます。
 スイセンの原産地は主にスペインやポルトガルなどから北部アフリカなど地中海沿岸地域で、原種は30種ほどあると言われています。現在はイギリス、オランダや日本で品種改良がすすんでいます。日本には中国経由で渡来し、越前海岸の群落が有名で、福井県の県花となっています。植物図鑑にはヒガンバナ科スイセン属(Narcissus tazetta var. chinensis:漢字は水仙、日本水仙)とあり、春の花壇には欠かせません。真の自生のスイセンはありませんが庭や花壇や暖地で日当たりのいい海岸の地など広く分布しています。
 花期は12月から4月、今がもっとも群生して美しい時期です。栽培の歴史は古く、ラッパズイセン、キズイセンやフサザキスイセンなど多種多様な品種があります。学名のナルキッソスはギリシア神話に登場する容姿端麗な若者の名前で水面に映った自分自身に恋いをして白くなったとか(ここからスイセンの花言葉は「うぬぼれ」」「自己愛」「気高さ」など。黄色花は「もう一度恋いをして」「私のもとへ帰って」など)。
 さてスイセンはヒガンバナ科ですので、鱗茎などにはリコリンやシュウ酸カルシウムなどを含んでいる毒草で、致死量は僅か10グラムです。茎がニラによく似ていますので間違って食べると、食中毒になる人がありますのでご注意を。(仲野良典)
 「独り居の喜びなる胸の内に  水仙の花屡々 ひらめく わが心は喜びに満ちあふれ 水仙とともにおどる」(ワーズワーズ)