京田辺市議会議員研修会 京田辺市議会で全議員が参加した「平成24年度第2回京田辺市議会議員研修会」が7日、同市で開催されました。「再生可能エネルギーの現状と今後の見通し、課題について」をテーマに日本環境学会会長の和田武さんが講演しました。
 和田さんは再生可能エネルギーについて、日本でも今の技術で利用可能な自然エネルギーは、年間使用エネルギー量の5倍近い年間5兆kwに相当することを指摘するとともに、自然エネルギーの分布は全国に広がっており密度が薄く、膨大な施設を分散的につくらないと利用できない、だからこそ市民が取り組めるし、また市民が取り組まないと利用・普及がすすまないという特性がある、と指摘しました。
 続いて、改めて2011年3・11の東京電力福島第一原発事故がどういうものだったのか認識しておくことが大事として、「原発のように制御できないものはダメだ、持続可能な社会のあり方としてこういう危険なものに依存していていいのかが問われている」と述べました。
 そしてデンマークやドイツなどの事例を詳しく紹介しながら、自然エネルギーの利用という点で、日本が世界の他の国と比べても大きく立ち遅れていることを示すとともに、世界で自然エネルギーの普及が進んできた要因は80カ国以上で導入されている「自然エネルギー電力買取制度」にあることを指摘しました。
 日本で2003年からRPS法にもとづく電力買取制度が始まったことについて、極端に低い目標設定のために実際には買取抑制の働きをしてきたこと、ところが、市民の間では「たとえ経済的には損をしても」太陽光発電が普及していることを示しました。そして昨年7月からスタートした新しい「自然エネルギー電力買取制度」の下で、自身も5人の委員のうちの1人を務める「調達価格等算定委員会」で買取価格や買取期間を審議してきた様子なども交えて今後の展望について語りました。
 和田さんは、「これから新しい制度が始まるが、普及の主体が大企業だけという構図をつくっては絶対にダメ。地元の住民や地域社会、地元業者が潤う取り組みとして進めることが不可欠だし、そういう取り組みは全国各地で始まっている」として、湖南市の地域自然エネルギー基本条例などの紹介しました。
 研修会の最後に、日本共産党の水野恭子議員が副議長として議会を代表して講師にお礼のあいさつを述べ、「今日の講演を参考に、地球温暖化防止の取り組みや自然エネルギー普及の取り組みを市民のみなさんと一緒にすすめていくために取り組みたい」と表明しました。(A)