ロウバイ まだまだ寒い冬空が続く京都ですが、春を告げる黄金色とかすかな芳香が漂うロウバイが満開になっています。小さいロウバイはアチコチで咲いていますが、北野天満宮と府立植物園には1本ずつ大きなロウバイがあります。
 写真は府立植物園のロウバイです。雨上がりのロウバイもきれいです。ロウバイは漢字で蝋梅と書き、天満宮や植物園の梅林に植えられていますが、2月3月に花をつける梅とはまったく別種です。ロウバイはロウバイ科ロウバイ属(Chimonanthus praecox=ギリシア語でcheimonは冬、anthosは花と言う意味で「冬に咲く花」)で。梅はバラ科サクラ属(Prunus mume)です。
 ロウバイの原産は中国で日本には江戸時代初期頃に渡来し、観賞用に庭などに植えられました。落背丈は2メートルで高いものでも3メートル少々の落葉低木です。枝は四方八方に分枝します。葉が出る前に写真のような2センチほどの黄色い花が下向きか横向きにつきます。花は写真のように透き通るほど薄い花びらで、内側の花被片は小形で暗紫色、外側は黄色で光沢があります。1番外側は鱗片状の花被片が多数あって上品な芳香があります。日本の庭にぴったりで人気があります。カカバイや大きな花をつけるトウロウバイや芳香の強いソシンロウバイなどの品種があります。
 ちなみに、府立植物園の北側には2箇所の梅園があって60品種150本の梅が12月から3月下旬まで咲き続けますが、梅園一面が優しい芳香と梅の花に埋め尽くされ堪能する時期は2月中旬から3月上旬頃(その年の気候で左右されます)でしょう。今は梅園にある梅の木は蕾小さく固くて、大きな1本のロウバイだけが見頃で、カメラにおさめている人がとぎれることなく訪れています。(仲野良典)
 京都府立植物園(有料。60歳以上で免許証や保険証など提示すれば無料)。