ホトケノザ 新年早々から連日寒風が吹く中、ホトケノザが宇治市の端っこにある畑の畦にかわいい小さな花を踏ん張ってつけています(写真)。
 ホトケノザ(シソ科オドリコソウ属:2年草)はオドリコソウ、ヒメオドリコソウやマネキグサなどとは兄弟の関係ですが、春の七草のホトケノザとはまったく別種です。
 ホトケノザは春3月から4月にかけて咲きますが、写真は冷たい北風が吹く畑の畦で踏ん張って咲いていました。葉は半円形で長さは1~3ゼンチほどで細い茎の上部は枝分かれして10~30センチほどの高さになって花をつけます。花は紅紫の唇形で細長い花冠には細長いピンク色の筒があって目のような黒い点が2つ付いています。
 春の七草の1つであるホトケノザは、キク科のコオニタビラコで地面に太陽をいっぱいうけるロゼット型の葉っぱを大きく広げ、黄色い小花をつけます。春の七草はほとんどがロゼット型で、暖かいお日様を広げた葉っぱで受け止めています。
 ところで、こちらのホトケノザは有毒といわれていますが、間違って食べても大量でなければ大丈夫とのことです。名前は柄のない広い葉っぱ2枚が対生して丸くて、仏様が座る台座に似ているところから付いたようです。葉が段々状に付くので三階草(サンカイグサ)とも言われています。
 草木の命名を探訪すると昔の人の思いが伝わり面白いですね。佛教にまつわる草名にはホトケノザの他に、紫の花を連ねるケマンソウ(華鬘草)、下向きに咲くニョイスミレ(如意菫)、座禅する達磨大師に見立てたザゼンソウ(座禅草)、細長い茎にたくさんの小茎が分岐して花をつけるクリンソウ(九輪草)や根っ子を筆に使ったとかで大書家の弘法大師にちなんでコウボウムギ(弘法麦)などがあります。(仲野良典)
「北風に 踏ん張って咲く ホトケノザ」 (良典)