カフェ「TOSCA」講演会 原発事故を受けて福島県いわき市からの避難者が京都に開いたカフェ「TOSCA」が23日、元京都大学原子炉実験所講師の小林圭二氏を招いた講演会を開きました。40人が集まり、お茶を楽しみながら講演を聴きました。
 同店は昨年7月にオープン。福島第1原発から24キロ地点に住んでいたオーナーの橋本明朱花さん・朋果さん姉妹が、「多くの人が事故まで原発の危険性を知らなかった。もっと多くの人に『次はわが身』になってほしい」と企画したものです。講演会は今年3月からはじめ、4回目。
 小林氏は、福井県の高速増殖炉「もんじゅ」の危険性について講演。同炉が、原発の使用済み燃料から取り出したプルトニウムで、さらに多くのプルトニウムを生む「夢の原子炉」と核燃料サイクルのなかで位置付けられていることを紹介し、「理論的には放射性廃棄物を減らすとされているが、むしろより危険度の高い放射性廃棄物に変えることしかしていない」と指摘しました。
 また「もんじゅ」の危険性について、▽暴走しやすい▽空気や水とふれると燃えるナトリウムを冷却材に使用している▽ナトリウムのために配管が薄くなっており、地震に弱い▽ナトリウムは不透明で、事故時に内部を確認できない▽プルトニウムは核兵器の材料となる―などを指摘し、「高速増殖炉は世界各国が技術的に不可能だと撤退したもの。ナトリウム火災事故や炉内やの装置落下事故で一度もまともに動いていない『もんじゅ』に、いまだに維持費だけで1日5500万円かけられている。1日も早く廃炉にするべき」と訴えました。