南禅寺 東山区の南禅寺が紅葉の見ごろを迎えています。山門は藤堂高虎が大阪夏の陣で戦没した藩士を弔うために寄進した重要文化財。紅葉が美しく映えています。方丈前や山門の東側には琵琶湖疎水が流れテレビや映画などに登場する煉瓦造りの水道橋「水路閣」付近、さらに南東のインクラインなどの紅葉も今が一番の見頃です。修学旅行生やヨーロッパ系の旅行客などが大勢訪れ、京の紅葉を楽しんでいます。山門桜上からは京都市街と紅葉が輝く境内が一望できます。境内や水路などは無料ですが、方丈や山門上などは有料。
 東山区の臨済宗南禅寺派の本山南禅寺(正式には太平興国南禅禅寺)は、亀山天皇の母大宮院の御所の離宮を1291(正応4)年に無関普門禅師(大明国)を開山として仏教寺院としてあらためられ、その後、変遷をたどり、足利義満が京都五山と鎌倉五山の上に別格とし、全国の禅寺の最高位の寺院として位置づけられ隆盛を極めました。国宝の方丈や重要文化財の壁画や小堀遠州作と言われる枯山水庭園などがあります。(仲野良典)
 「秋は来ぬ 秋は来ぬ くさきも紅葉(もみじ)するのもを たれかは秋の酔いざらむ 智恵あり顔のさみしさに 君笛を吹けわれはうたはむ」(島崎藤村)