バリアフリー絵本展 仏教大学社会福祉学部の学生有志でつくる「縁(えにし) 子どもグループ」が15日まで、同大学内で「世界のバリアフリー絵本展」を開いています。国際児童図書評議会(本部・スイス)が推薦する「2011読書に障害のある青少年のための絵本」の巡回展として開いているもので、今年で3回目。学生が事前に北区内の小学校や保育園、幼稚園30カ所にチラシを配り参加を呼び掛けました。
 絵本展では世界18カ国の48冊を展示。それぞれ、聴覚や視覚などに障害のある子どもたちも読めるよういろいろな工夫が凝らされています。手話や身振りの写真を見て読む本や凹凸を触って読み進む本、マジックテープで毛糸やフエルトがはがせるようになっている布絵本、押すと音が出たり、こするとにおいのする絵本もありました。また、紙の質感が次つぎと変わったり、ページをめくるとフラップがあるしかけ絵本など、だれでも楽しめるものばかりです。海外の絵本には翻訳本も付いています。
 10日に行われた読み聞かせには、幼児連れの母親や学生ら15人が参加。1歳の子どもを連れてきた亀山典子さん(35)は知り合いから聞いて来ました。「バリアフリーと聞いて、障害のある人が読める本ならだれでも読みやすいと思いました。子どもの絵本を選ぶ参考にしたい」と言います。
 準備を進めて来た同グループの山崎優太副代表(18)=同学部1回生=は「図書館にも本屋にもない絵本ばかりです。社会的な弱者のことや人のことを温かく考えられるようになる絵本だと思います。もっと多くの人に知ってほしい」と胸を張ります。
 同大学社会福祉学部講師の林悠子さんは「これだけの絵本がそろう機会はないと思います。地域の人たちにもっと見て頂きたい。福祉の仕事を目指す学生にとってもいい刺激になる企画だと思っています」と話しています。
 絵本展が開かれているのは仏教大学紫野キャンパス1号館506教室。問い合わせ先は同大学社会福祉学部資料室TEL075・491・2141。