大阪市の橋下徹市長が結党し、国政進出を狙う「日本維新の会」。次の総選挙で重大争点となる4つの課題で、同会はどういう立場をとっているのか。国政政策と実態について、各界の人が疑問と不安、怒りの声をあげています。

 「維新八策」は、「TPP参加」を明記。橋下氏は、「自民党も民主党もTPPで割れている。維新の会はまとまっている。これひとつとっても維新の会が既成政党より勝っている」(3月12日)と語り、TPP推進役の“適格者”をアピールしています。

他党と違いが見えない

与謝野町・(有)誠武農園代表取締役 西川誠司さん

 「八策」でTPP推進が掲げられているようですが、政党名が違ってもTPPを推進するなら、私からみれば違いはありません。TPP参加に突き進む政治家を、農家の立場として応援することはできません。
 現在、個別補償、中山間地域や新規就農などへの補助があり、農業を続けられています。しかし、TPPに参加し競争にさらされ、これ以上農作物の価格が下がれば、採算がとれずとても農業を続けていけません。農村や地域の崩壊に拍車がかかってしまいます。
 また、国の財政が厳しい中、今以上に農業に手厚い補助は期待できません。TPPに参加しても、国の補助で国内農業が守られるとは思えません。
 与謝野町では幅広い業者・町民が集まり、「中小企業振興基本条例」を作り、町の経済発展を模索しています。私は、条例制定に向けたプロジェクトチームの一員を務めました。条例の前文では町の産業などとともに農林業の振興が掲げられています。条例の精神と農業を壊すTPPは相反しています。
 強いリーダーシップを持った政治家は必要と思いますが、強いリーダーシップでTPP参加を決断してほしい訳ではありません。(「週刊しんぶん京都民報」2012年10月7日付掲載)