城陽・久御山民商被災地支援 城陽・久御山民商は3月24日から27日にわたり、昨年3月以降、第7次となる気仙沼、石巻(宮城県)での被災地復興支援に取り組みました。今回の参加者は会内外からの男性16人、女性5人です。
 まずは映画会を企画。仮設住宅の中1人でテレビを見るのではなく、みんなで映画を見たら、横のつながりが出来ないか、との考えからです。石巻民商では、仮設住宅内で「男はつらいよ」を、気仙沼・本吉民商では、会員の目黒政明さん(第4次支援で5トンの漁船を寄贈)が営む民宿で「クレヨンしんちゃん」を地元の民商とともに上映しました。
 会場内ではうどん、ぜんざいを炊き出し、子どもには「アンパンマン風船」と駄菓子を配布。お年寄りたちとはフラダンスや日舞を踊ったり、お抹茶を立てたり、歌を歌ったりして楽しく交流しました。参加者の大工さんは、狭い仮設住宅を有効に使ってもらうため「棚付け」で支援。予約を受けていた仮設住宅で作業を始めると、トンカチの音を聞いて見に来た隣人が「それなら私のところも」と依頼し、終わってみれば当初の3件の予定が10件の棚付けとなりました。
 一方、支援物資の提供者も広がり、今回は支援物資が「田植え機」「100箱の苗箱」「軽トラ」「建設道具」「新品の畳40枚」「仏壇」「電化製品」「米、野菜」など多数に。搬送車である2トントラックに載りきらず、残った分はそれぞれの民商に約50箱づつ別途送りました。
 また、「帰りの車を空で帰ってくるのはもったいない。何か積んで帰ろう」「商売人らしいやり方でも地元を励まそう」と、地元の特産品の予約販売を事前に決定。気仙沼本吉民商、石巻民商の会員の精肉店や鮮魚店、海産物店などから商品計画をもらい、出発直前まで受注をとりました。当初の予想をはるかに超える、気仙沼の商品で86点、石巻の商品で83品目もの受注がありました。帰着後手渡した特産品を口にした人からは早速「ものすごくおいしかったよ」との声が届いています。
 震災から1年以上過ぎてなお、被災地の復興は、まさにこれからという状況です。仮設にこもって出てこないお年寄りもたくさんいるとのこと。阪神淡路大震災の時は、こうした人が「孤独死」につながっていきました。しかし、私たち「民商」の支援の強みは、現地に仲間がいること。現地で今何が必要なのか、どこへ行けば良いのかが的確にわかり、そして共に行動できることです。支援内容も回を重ねるにつれて、物資だけでなく、現在では被災者との心の交流に主眼をおいた活動へ広がりを見せています。
 今回第7次支援を終え、会外からの参加者の3人が、民商の活動を体感し、商工新聞読者になりました。また、「次回8次支援の時期は?内容は?」との声がさっそくあがってきています。被災地でかけられた言葉─「いつまでも忘れずにいてもらえることが何よりです」。この声に応えていきたい。新たな絆の始まりです。(城陽久御山民商会長・内田公昭)