サクラ 今年は冬型の天候で低温が長く続いて、各地の梅がようやく見頃になりつつあります。一方、京を彩る枝垂れ桜などは未だ蕾み固しの状況。
 そんな中でも府立植物園のキンキマメザクラは満開になっています。小粒の花をつける桜は一般にマメザクラ(豆桜)といわれており、フジザクラ(マメザクラ)、ヤブザクラやキンキマメザクラ、萼(がく)が薄いグリーンのリョクガクザクラなどがあります。
 キンキマメザクラ(近畿豆桜:学名Prunus incisa var. kinkiensis)は名前のとおり近畿地方によく生えています。写真は府立植物園の植物生態圏付近にあるキンキマメザクラです。このサクラの背丈はあまり大きくならず、せいぜい5メートルから7メートルぐらいで、葉っぱは倒卵型や広倒卵型で、萼は少し長く、白色または淡いピンクの花は下向きに咲いておりはんなりとした柔らかい雰囲気を漂わせます。
 同園のキンキマメザクラは4月中旬ぐらいまで咲きそうです。もう少し暖かくなれば、同園内の染井吉野、山桜、枝垂れ桜や里ザクラなど桜林を中心とする100品種約500本や、同園外西の賀茂川沿い「半木の道」の枝垂れ桜が豪華に咲き誇ります。桜林地帯の桜が4月上旬には開花し始め花見の季節となるでしょう。
 「春はどこまできたか 春はそこまできて桜の匂ひかぐわせた」(萩原朔太郎)
 入園料、大人200円、高校生150円、小中学生80円。60歳以上の公的証明提示で無料。「半木の道」は無料。