全日本年金者組合近畿ブロック支部交流集会 全日本年金者組合近畿ブロック支部交流集会が8、9の両日、大津市内で開かれ、京都など近畿各府県の支部から160人が参加しました。
 地元滋賀県本部の谷悦男委員長が「7年ぶりの滋賀県での開催。近畿の各支部の豊かな活動をみんなの共通と暖めて持ち帰ってほしい」と開会あいさつ。サックス奏者の一法真證さん(はしのりしんしょう、元大阪府労連議長)が、まだ雪が残る被災地を思い「津軽海峡冬景色」や「千の風」などを演奏しました。また、参加者一同で「琵琶湖周航の歌」を大きな声で合唱しました。
 中央本部の富田浩康書記長が基調報告し、「『社会保障と税の一体改革』は弱者切り捨てであり、格差拡大の政治をひた走るもの」と厳しく批判。また、「一体改革」や年金切り下げ撤回などの運動は宣伝や署名活動を強化するとともに、「我々のバックには4000万人の高齢者が後押ししているととらえて、地元議員や政党事務所に繰り返し働きかけることも重要である」と強調しました。
 里見賢治氏(仏教大学教授)が「『社会保障・税一体改革』と公的年金制度のゆくえ」と題して記念講演。一体改革とは何か、社会保障の財源の現状とあり方、年金制度の矛盾の解決の方向性、社会保険幻想からの脱却、年金制度の公費負担方式と基本方向などについて、資料統計などを駆使して話しました。「一体改革とは社会保障を口実にして、国民に消費税増税を納得させる仕掛けである」とし、「財政危機の原因は社会保障にあるのか」などを、大企業法人税優遇、富裕層所得税軽減の経緯や実態など明らかにしながらその偽装を告発しました。また、社会保障の国際比較(OECD)の資料などから日本の低レベルな社会保障の実態、相対的貧困率が異常に高い実態、国や企業の医療負担がいかに低いかなども事実に即して明らかにし、今後の年金制度などの方向性とその財源政策などを提起しました。
 近畿6府県の支部から特別報告が行われました。奈良県香芝支部はスポーツ、詩歌、絵画、音楽、料理、英会話など24種の活発なサークル活動を報告。大坂富田林支部は「地域に根ざした年金者組合」を、京都からは左京支部が京都市長選挙の奮闘の中で高齢者人口の1%の仲間づくりを達成したなどの支部活動を紹介しました。
 2日目は「全国20万仲間づくり運動」「文化・サークル活動」「魅力ある支部機関紙づくり」の3分科会に分かれて、各支部からの報告や積極的な意見、苦労話や教訓などを交流しました。(仲野良典)