日本共産党京都市議団の山中渡団長は17日、京都市が発表(17日)した12年度一般会計予算案について、「社会保障費も含む消費的経費の削減28億円が盛り込まれ」、「福祉、教育の容赦のない切り捨てをいっそう進めるもの」と批判する「見解」を発表しました。
 以下、全文を紹介します。

日本共産党京都市会議員団団長 山中 渡

1.本日、市長は、通年予算となる2012年度予算案など90件の議案を発表しました。一般会計予算総額は7381億円と昨年とほぼ同規模となり、臨時財政対策債を含む市債発行額は895億円、残高は1兆2322億円(市民1人当たり84万円)と過去最高となりました。この臨時財政対策債を意図的に除き、「実質市債残高を減らせた」としていますが、本来、国が交付税で措置すべき財源を、地方自治体の借金でまかなわせるもので、京都市の借金は増え続けています。
 「負担軽減」を公約で掲げながら、介護保険料は月額930円の値上げ、国民健康保険料は料率の据え置きにとどまりました。また、「子育て環境日本一」を掲げながら、子どもの医療費支給制度は、小学校卒業まで通院も拡充するとしたものの、月額3000円を超える部分の償還払いであり、無料化拡充の願いに正面から応えるものではありません。教育予算は過去20年間で最低となった昨年を8億円以上も下回る予算となりました。京都経済の再生で注目された「公契約基本条例」は検討のための予算も見当たりません。
1.「はばたけ未来へ!京プラン実施計画」の初年度にあたり、財源確保のために職員削減で12億円、社会保障費も含む消費的経費の削減28億円が盛り込まれています。毎年25億円削減するとしていた消費的経費の削減目標を3億円も上回り、削減対象には、民間社会福祉施設産休等代替職員補助や社会福祉協会助成の廃止、看護師確保のための予算を半減するなどが含まれています。「財政構造改革の強力な推進」として、福祉、教育も容赦のない切り捨てをいっそう進めるものとなっています。
 市民には負担増やサービス切り捨てを進める一方、リニア中央新幹線の誘致要望を加速させるなど、新たな地元負担にもつながりかねない動きは見過ごせません。さらに、市民の反対の声を無視し、京都会館第一ホールの解体や四条通の片側1車線化を進める予算も盛り込まれています。
1.党議員団が、ムダ遣いとして中止を求めてきた未着工の高速道路3路線は、いよいよ廃止も含めた見直しのための予算が計上されました。また、トラブル続きで稼動の見通しのたたない焼却灰溶融施設の運営経費は予算化できませんでした。耐震リフォーム支援事業の創設や重要橋梁の耐震化などの予算が確保されるなど、防災対策の強化では前進がありました。
1.民主党政権は、「社会保障と税の一体改革」と称して、消費税の大増税法案を成立させようとしています。また、原発再稼動・容認、TPP参加を強行しようとしています。
 党議員団は、「原発ゼロ」、「景気、雇用の確保」、「払える国保料」、「消費税増税許すな」など市長選挙に寄せられた市民のみなさんの切実な願いの実現に全力をあげて奮闘します。