明るい未来へ署名、要請

 関西電力高浜原発に隣接し事故時は全市の避難が必要とされる舞鶴市で、農家や子育てママらが原発ゼロを訴え、パレードや学習会など様々な運動に取り組んでいます。
 「舞鶴ピースプロジェクト(MPP)」は、原発事故で生活の場が奪われたり、放射能汚染により長年かけて育んだ土が汚染されると危機感を強めた同市の農家や自給自足の生活を目指す人たちを中心に結成されました。メンバーには小さな子どものいる家庭もあり、子どもたちの安全や命を大人たちの責任で守ろうと活動してきました。2歳と8歳の娘をもつMPPの今井久美子さんは、「子どものことを考えると緊急の問題、何かやらなきゃと思った。原発は労働者に被ばく者を生むなど犠牲の上に成り立っている、その上に立つ暮らし方を根本的に問い直さないと」と話します。
 昨年8月には舞鶴市内で150人を集めパレードを行い注目を集めました。呼びかけ人の村本さゆりさんは、「○○反対!と攻撃的なものにはしたくなかった。前向きで平和的な訴えに」と言葉通りに、パレードは映画「となりのトトロ」の主題歌に「バイバイ原発、命が大事」と歌詞をつけにぎやかにアピールするものになりました。
 また、昨年10月には舞鶴市に対し、原発に依存しない社会へ再生可能エネルギーの普及に努めることなどを求める要望書を約2700人分の署名を添えて提出し、積極的に行政に働きかける活動にも取り組みました。
 きっかけはメンバーが昨年8月に訪ねた市の防災課で担当者の話を聞いて、その時点で事故時の準備など何もない状況に、「私たちが働きかけないと」と思いを強くしたからです。
 今後はバイオマスや小水力発電を取り入れた生活を個人レベルでも実践するとともに、環境負荷の少ない暮らしを同市に提案していく考えです。「脱原発、自然エネルギー中心の社会へ市民の民意を高め、主体的に関わって行政とともに取り組みたい」と決意を新たにします。(「週刊しんぶん京都民報」2012年1月1日付掲載)