米国が昨年11月16日に新方式の臨界前核実験を行っていたことが明らかになりました。綾部市と同市議会は市長・議長連名によりオバマ大統領に抗議文を駐日米国大使館に送付しました。
 抗議文は、以下の通りです。      


アメリカ合衆国大統領 バラク・オバマ殿
 綾部市は1950年10月14日、世界の恒久平和を謳う世界連邦都市宣言を日本で初めて行った自治体であり、同宣言以降、その平和思想を「市是」として市民とともに脈々と伝承し、今日に至っています。
 このような市民の願いに反し、貴国が昨年、新方式による臨界前核実験を実施したことが明らかとなりました。私たちの平和への願いを、無視した行為であり、決して看過できるものではありません。
 報道によると貴国関係当局では「爆発を伴う核実験はせずに、備蓄核の安全性が目的」と説明していますが、もとより「核なき世界」の実現を強く訴えノーベル平和賞まで受賞された貴殿としては、核実験を重ねて自国の核兵器を維持する姿勢は国際社会の期待を裏切るものであると指摘せざるを得ず、世界野恒久平和に逆行し人類の生命と財産を脅かす行為に対し強く抗議いたします。
 貴国におかれましては、包括的核実験禁止条約(CTBT)を批准するとともに、臨界前核実験を含む一切の核実験の中止と、核抑止力に依存しない安全保障政策への転換を実現するよう強く求めます。
 私たちは改めて、世界平和の実現を推進する立場から、貴殿が提唱された「核なき世界」の一日も早い実現にさらなる努力をされるよう要請いたします。

2012年1月6日
綾部市長 山﨑善也
綾部市議会議長 木下芳信