有害鳥獣被害 府内の農村などで大きな被害を生んでいる有害鳥獣問題について考えようと活動している「京都府有害鳥獣研究会」は5日、京都市上京区の府福利厚生センターで第2回総会と講演会を開きました。
 講演会では、猟友会や府職員、府北部の参加者らが取り組んでいる活動について報告しました。
 京都府猟友会の奥田定雄会長は、長年猟友会で活動してきた体験を語り、「昔は滋賀県に行かないと捕れなかったシカが、宇治市でも見ることができるようになった。ここ数年で大きな変化が起こっている。鳥獣の数をコントロールしていく施策が大事だと考えている」と述べました。
 京都府農林水産技術センターの芝原淳氏は、各地で行われている鳥獣対策のアイデアや工夫、問題点などを写真で紹介し、「対策を打っても、上手くいかないケースが多い。緩衝帯の整備や集落・農地の管理、個体数管理など多方面での対策を行い、農産物の被害を減らしていく工夫が必要」と強調しました。
 同会の安井昭夫事務局長が現在の野生鳥獣問題について、日本共産党の中島英俊福知山市議が府北部の鳥獣対策についてそれぞれ報告し、その他の地域からも発言がありました。
 参加者から「南部でもシカやサルの被害が増えている」「京都市でも多く被害があり、もっと行政の支援が必要」「どのような支援制度があるのか周知徹底されていない」などの発言がありました。
 同会の総会では、地域研究会を開催することなどの方針が確認され、役員が選出されました。代表に奥村英一氏(元京都府農業総合研究所所長)と上島裕氏(NPO法人やましろ里山の会顧問)が再選され、顧問には新たに多田哲子氏(京都府保健環境研究所)と村上興正氏(京都精華大学講師・府特定鳥獣保護管理計画策定委員長)が就任しました。