日本共産党舞鶴市議団は18日、舞鶴市民病院の縮小など地域医療体制の問題が深刻化している同市の医療問題について、声明「『緊急医療体制確立と医師確保』でいつまでも安心して暮らし続けられる舞鶴市に」を発表しました。
 声明の全文は以下の通り。


「救急医療体制確立と医師確保」で、いつまでも安心して暮らし続けられる舞鶴市に

2011年10月
日本共産党舞鶴市会議員団

多々見市長就任後、舞鶴の地域医療は重大な後退

 多々見市長就任後7ヶ月、舞鶴の地域医療はどうなっているでしょうか。

  • 市民病院ではこの間、医師7人が病院を辞められ、整形外科と休日一次救急が3月末で、さらに循環器と糖尿病の外来が6月末で廃止になりました。400人を超える整形外科患者が他の病院・診療所への受診を強いられています。
  • 舞鶴市内から呼吸器科の医師がいなくなり、呼吸器疾患の方は綾部や福知山の市民病院で診察を受けなければなりません。手術を受けるには一番近くで南丹病院です。喘息発作をおこし救急車で運ばれた子どもが、他市で治療を受けなければならないことも起こっています。
  • 市民病院のリハビリ機能が縮小し、脳梗塞や脳卒中の術後のリハビリ治療も深刻な状況です。リハビリ中の患者は、舞鶴赤十字病院や岸本病院などに移っていますが、舞鶴赤十字病院ではリハビリの入院・外来治療が込み合い、福知山市民病院にまで通院したり入院でリハビリ治療を強いられる方もいらっしゃいます。
  • 脳外科と整形外科を同じ病院で手当できない事態が引き続きつづいています。車にはねられた子どもが医療センターに運ばれ手当を受けましたが、外科の手当のために鳥居医院に運ばれた例も、この間実際に起こっています。麻酔科の常勤医が不足している事態も続いており、緊急手術ができない場合もあります。

「舞鶴の医療をよくしてほしい」という市民の願いとは逆行

 こうした事態は、「舞鶴の医療をよくしてほしい」という市民の願いとは逆行しています。市長は「4つの病院が連携すれば、機能は果たせる」「北部では舞鶴がもっとも救命救急の機能をもっている」言いますが、実際には舞鶴市では救急対応もできない、手術もできなくなりつつあります。また脳外科と整形外科などの多重障害で「整形外科は後回しでも大丈夫」と言いますが、「同じ病院で手当してほしい」というのが市民の願いです。
 舞鶴市の地域医療が重大な後退は、舞鶴市はもちろん京都府北部や福井県嶺南地方の地域医療をもおびやかしています。

具体的な課題を解決する地域医療再生計画こそ求められる

 9月市議会で多々見市長は「次回の(京都府との「中丹医療再生計画」見直し協議の)会議に向け、病床数などの具体案について、府の主導のもとで鋭意協議、調整を進めていただいているところ」と答弁しました。これは医療救急体制を縮小しようとする京都府に具体案まですべて丸投げする姿勢です。また具体化を求められているのは舞鶴市内で削減する病床数だけです。これでは実際に起こっている舞鶴の医療問題は何一つ解決しないどころか、いっそう悪くなるばかりです。これは市民が願う「再生計画」ではありません。
 求められるのは市民のみなさんの医療要求をしっかり掌握し、舞鶴で起こっている医療問題を、一つひとつ具体的に解決することです。

緊急に次の課題の解決を求める

 日本共産党舞鶴市議団は、舞鶴の地域医療を守るために緊急に次の課題の解決を求めます。

  • 救急医療体制の確立と高度医療の充実をはかること。
  • 不足している整形外科、麻酔科、呼吸器科、また一人診療科の医師を一刻も早く確保すること。
  • 脳外科・整形外科と婦人科・小児科の連携を強化すること。

  

市民病院をどうするかは、市が公的責任を発揮して地域医療全体の中で決めるべき

 多々見市長は、地域医療のあり方を明らかにしないまま、「市民病院を療養型に特化し、舞鶴赤十字病院の横に新設する」と提案しました。これで市民が求める具体的な医療の課題が解決できるでしょうか。
 市民病院をどうするかは、舞鶴市の医療供給体制の全体を踏まえ、「市民のいのちと健康を守る」舞鶴市の責任と自治体病院の役割を発揮する立場から検討し決めるべきです。療養病床の確保も、地域医療全体の中でどう確保するか、議論し決めるべきであり、市民の意見も聞かずに、市民病院を療養型に特化することには反対です。
 日本共産党舞鶴市議団は、市民のみなさんの医療の願い、意見・提案をあつめて、安心できる舞鶴の地域医療の再生に全力をあげるものです。