マンジュシャゲ 9月下旬に河川敷や田圃のあぜ道などに咲く花といえば曼珠沙華(マンジュシャゲ)。八幡市と久御山町を結ぶ木津川の上津屋橋(通称=流れ橋)付近にも写真のように真っ赤に燃える曼珠沙華が群生しています。
 写真のバックの焦げ茶色で横断しているものは流れ橋です。先日の台風15号で橋脚や橋桁、橋板まで被ってしまい、膨大な流木や草などに覆われている状況です。久御山側の356.5メートルの橋板も流され、現在も通行できません。川には、ワイヤーで結ばれた橋板が落ちて流れに身を任せています。
流れ橋 地元農家の古老は「昨年の台風18号で流され、今年6月に約6000万円かけて復旧したばかりなのに、僅か3カ月で流されてしまったんですよ。まぁ、また直して通れるようになるのは半年以上待たなければあかんやろな。わしの若い頃はこの橋はもっと上(カミ)に架かってたんだ」と指差しながら懐かしく語っていました。
 曼珠沙華は彼岸の前後に咲くので彼岸花ともいいます。あの世の岸が彼岸だから河原に咲くのもぴったりかも知れません。元は中国から渡来して広がった多年草。地方によってはシビトバナ、カミソリバナ、トウロウバナ、ステゴバナやテンガイバナともいい少し暗い名前が多く、花言葉も「悲しき思い出」。しかし学名のLycoris radiataはリコリスはギリシア神話に登場する海の女神リコリスに由来するといわれています。(仲野良典)