東京電力福島第1原子力発電所の事故を受け、日本共産党は、「政府は、原発からの撤退を決断し、原発をゼロにする期限を決めたプログラムの策定を」と提唱、国民的運動を呼びかけています。原発問題、エネルギー政策についての府民各層の主張・提言をシリーズで紹介します。

10年ほどでゼロに

 原発反対運動にかかわって36年になります。島根大学で学んでいたとき、大学から8キロ先で中国電力島根原発が稼働し始め、2号炉も建設するというのでこれは許せないと地元住民と立ちあがったのが始まりです。
 原爆も原発も根っこは同じで、人間は核とは共存できないと思います。久美浜町蒲井で撤回させた原発建設反対運動の支援や核燃料輸送問題で全国の反原発グループとの連携、「もんじゅ」を廃炉への運動、学習会なども行ってきました。
 福島原発事故以降、自治体が「脱原発」を表明し、交付金を辞退する動きがあり、世論調査も70%が「脱原発」賛成です。遅れているのは一部の政治家と経団連でしょうか。
 今、大事な事は2次、3次汚染につながる放射能汚染サイクルへの正確な理解と対処です。牛肉の放射能汚染から稲わら、牛フン、腐葉土への汚染の広がりが明らかになってきました。福島県の子どもの尿から放射性物質が検出され、人間への内部被ばくへの影響を考える時期だと思います。
 私は農家の5代目で、農薬を使わない野菜作りにこだわっています。被災地や周辺で有機農業に取り組む仲間がいますが、牛フンや堆肥の汚染問題が今後深刻になっていくと思われます。
 新規の原発を作らず、今ある原発を徐々に廃炉にしていけば10年ほどでほぼゼロにな
ります。脱原発に向けた法整備が必用です。「放射能はごめんだ!」の一点で連帯し、原発偏重のエネルギー政策の転換を訴えていきたい。(「週刊しんぶん京都民報」2011年8月21日付掲載)
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