イノシシ・猿おどしコンクール 府南部の農業振興に取り組む住民らは27日、井手町の農園「山城多賀フルーツライン」で、有害鳥獣から農作物を守るアイデアを出し合う「イノシシ・猿おどしコンクール」を開きました。
 イノシシや猿、シカ、アライグマなどに農作物を荒らされる被害が増えていることから、追い払い対策を交流するために開かれたもの。同フルーツパークでも、柿・ぶどう・みかんなどが猿やイノシシに食い荒らされる被害にあっています。
 約20人が参加し、ムチや竹で音を鳴らす追い払いグッズ・発明の発表や、農作物の鳥獣被害の実態などを交流しました。
 名古屋市の高校教員・杉本憲広さんは、長さ1~2メートルほどの犬の散歩用リードで自作したムチによるアイデアを紹介。ムチを振ると、衝撃波で生まれる強烈な音が鳴ることから、「音速を超える衝撃波が生まれます。サルやイノシシ対策に使えないか検討してほしい」と述べました。
 同町の小学生・梅本海舟くん(9)は竹を利用して音を鳴らす道具を自作し、発表。「家の近所でもサルをよく見かける。食べ物が荒らされたら困るので、追い払いたい」と話しました。
 鳥類・は虫類研究家の中川宗孝さんが府南部での外来種の生存状況などについて報告。アライグマ、ハクビシン、ヌートリアなど様々な外来種が増えている実態を示し、「外来種が持ち込まれ、増えることで、日本固有の生物の存在が追いやられる危険性がある。外来種を増やさず、捕獲すべき時は捕獲し、適正で大局的な生物多様性のあり方を考えるべき」と語りました。
 井手町猟友会のメンバーが鳥獣被害の実態について報告し、「イノシシやサルを撃って駆除するだけの対策ではなく、人間の住む環境に近づかない取り組みを強めるべき。被害の実態を良く理解・共有し、住民と行政が力を合わせて対策を強化していくべき」と述べました。
。日本共産党の岡本亮一京田辺市議、谷田操・村田晨吉の両井手町議、大植登京田辺・綴喜平和・環境部長が参加し、鳥獣害の実態や被害対策の取り組みについて報告しました。