憲法九条を守る木幡・六地蔵の会は7日、宇治市の木幡地域福祉センターで、「原発問題の学習と戦争体験を語りあう会」と銘打った夏のつどいを行い、約50人が参加しました。
 日本科学者会議の深尾正之さんが「福島原発事故の実態と健康への影響」と題して講演。原子力発電のしくみ、福島原発事故の特徴と処理方法の問題点、収束に向かっているのか、電力供給系の近代化、放射線障害などについて、パワーポイントによる図表を活用して1時間にわたって話しました。
 深尾氏は、「原子炉のなかがどういう状態になっているか分かるのは数年先になるだろう」「原発で電源喪失は始めての経験でマニュアルはない」「事実公表を拒み、後出しで都合の良いことだけを繋いで辻褄合わせをする運用は、東電の常套手段」「放射線の人類への影響は確率的で、被曝線量が10分の1になれば癌の発症率も10分の1になる。ある値以下で無害になるということはない」など、専門的なことを分かりやすく解説しながら、問題点を鋭く指摘しました。
 講演後、参加者から多くの質問がだされ、「送電と発電の分離は大切だと思いました。是非運動していきたく思います」などの感想が寄せられました。
 会場で呼びかけられた福島への救援募金には8804円が寄せられました。
 ピアノとギターの伴奏で、「原爆を許すまじ」「折り鶴」「おひさま」などをみんなで歌いました。
 戦争体験を語りあう会では、4人が戦争体験を語りました。本人や兄弟たちの学徒動員、勤労動員の話、国鉄に勤めていたときの話、神戸大空襲の経験などを、小さな冊子にまとめてきたり、関係する図書を紹介した方もおられました。「わたしも同年齢で」と参加者からの体験も紹介するなど交流しました。
 会場では、原爆の実態を伝える写真展示も行われました。
 九条の会の事務局から、「毎月第一日曜に各戸を訪問して九条を守る署名をお願いしていること」「毎月19日に街頭宣伝を行っていること」などが紹介され、参加を呼びかけました。(山崎恭一)