東京電力福島第1原子力発電所の事故を受け、日本共産党は、「政府は、原発からの撤退を決断し、原発をゼロにする期限を決めたプログラムの策定を」と提唱、国民的運動を呼びかけています。原発問題、エネルギー政策についての府民各層の主張・提言をシリーズで紹介します。

原発労働者の命守れ

 学生や院生、フリーターなど青年で集まり、労働相談しながら若者の労働問題について取り組み、雑誌発行もしています。東日本大震災で仙台の仲間やその家族が被災したもとで、労働相談の活動が力になればと、現地で支援活動を行っています。また、震災に便乗した不当な解雇の相談などに応じています。団体は東京を本拠に京都、仙台で活動し、私は京都のメンバーを支援しています。
 私たちは福島第1原発の事故を受けて、原発で働く労働者の問題を勉強しました。原発での労働は、最も危険な箇所を下請け、孫請けの末端の労働者に押し付けて成り立っているとわかりました。
 電力会社社員は、コンピューターでシステムの運転・制御をしています。被ばくする作業に当たる設備の保守・点検、機械の検査・修理、放射能を除染する清掃作業などは、すべて下請けの技術者か日雇い労働者が担っています。日本の商業用原発で働く労働者で、電力会社社員の被ばく人数、被ばく線量は社員外の1割程度です。
 さらに、危険な労働に従事する日雇い労働者などは、立地地の兼業農家や都市から連れてきた貧困世帯の人たちです。貧困で苦しむ人に命を脅かす労働を行わせることは、私たちが取り組んできた「派遣切り」や「過労自殺」などと同じで、経済のために命を軽んじる社会構図だと感じました。
 原発は「安全」が確保されれば再稼動してよいと政府は述べています。しかし、事故を防げたとしても、社会的弱者の犠牲がなければ維持できないテクノロジーでよいのか。労働者の命を守りながら、廃炉を進めるべきです。(「週刊しんぶん京都民報」2011年7月31日付掲載)
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