被災地から伝えたい 「被災地から伝えたいこと」と題した講演会が15日、伏見区役所ホールで開かれ、約80人が参加しました。「広がれ!支援の輪From京都・伏見」をスローガンに伏見地区労加盟の労組、新婦人や民商の伏見支部などで構成する「7.24東北応援デー」実行委員会主催。宮城・岩手・福島3県の物産展のプレ企画の一環で、震災から4カ月経た今、現地で起こっていること、地域の暮らし、今何が必要なのか、私たちにできることは何かを考えるために、被災地・岩手から日夜奮闘している岩手自治労連を招いたものです。
 岩手自治労連の高橋昭博副委員長が講演。高橋氏は「全国からの応援や支援活動の励ましを受けています」と述べ、3.11以降現在までの被災地の状況と自治体職員の奮闘や課題などを報告。ある保育師が子どもたちをつれて必死に逃げ、何とか助かったものの、夫がいまだ行方不明だったり、町長や役場の幹部が亡くなり、「何十年も頑張って築き上げてきた町が、一瞬にして瓦礫の山となってしまった」との副町長の悲痛な訴えなどを紹介。そして、岩手県内で高橋さんが担当する12自治体での死者と行方不明者は14日現在で6809人、避難所への避難者は4日現在で8102人もの住民が未だに避難生活を強いられ、12自治体職員合計3187人中の116人が死亡もしくは行方不明になっていると述べました。
 自治体労働者も避難所に連日寝泊まりして被災住民の対応に追われる毎日で、疲労の極限だと言いながらも、「住民のために住民とともに、という仕事を貫いていきたい」と決意を述べました。そして、復興は上からの押しつけでなく、「漁業・農家の再建と住民生活再建へのニーズ、地域の産業・経済・町づくりへのニーズを、被災者に寄り添った町の再構築をしていくことが一番大事」と復興への決意を訴えました。
 被災地ボランティアに参加した岩田克巳さん(伏見ふれあいユニオン)が被災地での活動を報告。京建労、新婦人、民商や市教祖などが、義援金、支援物資、ボランティア派遣、現地での炊き出し状況や被災地から避難してきた子どもの支援状況などについて述べました。
 事務局から「7.24東北応援デーとして、宮城・岩手・福島の物産品が大手筋商店街、龍馬通り商店街、丹波橋通りなど7カ所で行われるのでぜひ成功させてほしい」との訴えがありました。(仲野良典)
「7.24東北応援デー」実行委員会=伏見地区労内TEL075・612・5444。fushimi-chikurou@cocoa.plala.or.jp