表現芸術育てる視点を

 芦屋市民センター・ルナホールの設計・建築や兵庫県立芸術文化センターの基本構想作りなど数多くの演劇や音楽のホール建築にかかわってきました。
 ホール建築で一番大事なことは、その舞台でどんなパフォーミングアート(表現芸術)を育て、市民が楽しむかということです。パフォーミングアートの中味によって、建物のあり方も変わってきます。京都会館の場合、パフォーミングアートのビジョンがないまま、ハード面だけが議論されてきました。
 市は、これからの京都にどんなパフォーミングアートを育てるのかという視点を持つべきです。
 京都会館建て替えとともに市が進めようとしている「岡崎地域活性化ビジョン」では、地域全体を高度化して商業施設を作ろうとしています。
 これはとんでもないことで、市はもともと岡崎を歴史的文化的な景観地域として保全してきました。当然そのことを市は守らなければなりません。
 むしろ、これからは、野外パフォーミングアートや仮設店舗など、文化芸術的なにぎわいができるような岡崎公園の整備こそ必要です。(「週刊しんぶん京都民報」2011年6月12日付