宇治川のアジサイ 梅雨まっただ中の16日、伏見区中書島界隈の宇治川派流の両岸には色とりどりの紫陽花並木がつづいています。写真は龍馬通り南端の派流に架かる蓬莱橋あたりで、ちょうど観光客を乗せた十石舟が通ります。雨降りでも酒蔵が建ち並び両岸の木々や紫陽花並木を見ながらの一時の船旅を堪能しています。
 十石舟は大倉酒造や建長寺の弁天浜の発着場から蓬莱橋((寺田屋近く)を通過し、京橋(日本最初の郊外電車の終点駅)をくぐり、濠川(伏見城の外堀)と二条木屋町からの東高瀬川と合流地点に入って、国土省三栖閘門(みすこうもん=宇治川に注ぐ)までの間を運行しています。
 江戸期には大量の物資を運ぶ大坂と京を結ぶ発着港であり、参勤交代には西国大名の本陣もある宿場町として栄えました。明治以降は東海道本線や京阪電車が開通して水運の役割はなくなりましたが、酒蔵が建ち並ぶまちとして栄えました。
 遊覧船の十石舟や三十石舟が通過する宇治川派流の両岸には、四季折々の草木が植生されるなどよく整備されて観光客を楽しませてくれます。また、三栖閘門付近は公園になっており宇治川河川敷が一望でき、公園には閘門の歴史資料館などもあるコースです。(仲野良典)