豊作願う 稲作の成功を祈願する御田植祭が10日、伏見稲荷大社行われ、どんよりした小雨にもかかわらず、大勢の参拝者が訪れました。
 本殿での神事の後、4月に水口祭で種下ろしされ、生育した早稲を汗衫(かざみ)装束の神楽女が御田舞(おたまい)を奉納。大阪府摂津市の「三島初穂講」の白衣に紺の手甲脚絆(きゃはん)の田人とあかね襷(たすき)に菅笠(すげがさ)の早乙女が神田に苗を植えました。 
 この行事は御田植神事、御田、田遊び、春田などともいい、全国的に行われている行事で、豊作を願う農民たちの厳しい田植えの労働を軽減するために太鼓や笛など音楽や芸能を伴うようになったと伝えます。伏見稲荷大社のように6月の田植えの時期に行われるものや、地方によっては新春の時期に行われるものもあります。遠くは稲作が早くから発達したアジアの稲作文化圏に広く類似の行事が行われています。(仲野良典)
「雨折々思ふ事なき早苗かな」(芭蕉)