日本共産党京都府委員会(渡辺和俊委員長)と同党の府内27自治体の議員団は31日、関西電力株式会社京都支店(京都市下京区)へ「原子力発電所の安全対策の抜本強化を求める申し入れ」を行いました。
 申し入れの全文は以下の通り。


関西電力株式会社社長 八木  誠 様

原子力発電所の安全対策の抜本的強化を求める申し入れ

 日本共産党京都府委員会委員長   渡辺 和俊
 日本共産党京都府会議員団団長   前窪義由紀
 日本共産党京都市会議員団団長   山中  渡
 日本共産党福知山市会議員団団長  塩見卯太郎
 日本共産党舞鶴市会議員団団長   後野 和史
 日本共産党綾部市会議員団団長   堀口 達也
 日本共産党宇治市会議員団団長   水谷  修
 日本共産党宮津市会議員団団長   宇都宮和子
 日本共産党亀岡市会議員団団長   田中  豊
 日本共産党城陽市会議員団団長   熊崎 雅章
 日本共産党向日市会議員団団長   大橋  満
 日本共産党長岡京市会議員団団長  浜野 利夫
 日本共産党八幡市会議員団団長   森下 由美
 日本共産党京田辺市会議員団団長  塩貝 建夫
 日本共産党京丹後市会議員団団長  田中 邦生
 日本共産党南丹市会議員団団長   高野 美好
 日本共産党木津川市会議員団団長  酒井 弘一
 日本共産党大山崎町会議員団団長  堀内 康吉
 日本共産党久御山町会議員団団長  三宅 美子
 日本共産党井手町会議員団団長   谷田  操
 日本共産党宇治田原町会議員団団長 安本  修
 日本共産党笠置町会議員      福本 宗雄
 日本共産党和束町会議員      岡本 正意
 日本共産党精華町会議員団団長   坪井 久行
 日本共産党南山城村会議員団団長  柴垣 紀行
 日本共産党京丹波町会議員団長   東 まさ子
 日本共産党伊根町会議員団団長   大谷  功
 日本共産党与謝野町会議員団団長  伊藤 幸男
 福島第一原子力発電所で発生した極めて重大な放射能漏れ事故は、福島県をはじめ日本社会に深刻な不安と被害をもたらしている。全ての情報を公開し、専門家の英知を結集して、一日も早く危機的な事態の収束をはからなければならない。
 今回の原発事故は、地震や津波で冷却水がなくなれば炉心が溶け、コントロール不能となり、大災厄をもたらすという今の原発技術の本質的危険を明らかにした。さらに、日本共産党や市民団体がその危険性を再三指摘し抜本的な安全対策を求めたにもかかわらず、東京電力と歴代政府が「安全神話」にしがみつき、改善を怠ったために発生した「人災」である。
 日本共産党は、政府にたいして、今回の事故が「人災」であることをはっきり認め、「安全神話」と決別し正直で科学的な原子力行政に転換すること、原発からの撤退を決断し、原発をゼロにする期限を決めたプログラムを策定することを強く求めるものである。
 今、京都府民は、貴社が運転している若狭湾の11基の原子力発電所の安全性について大きな不安と心配の念を深めている。福島原発のような重大事故は、若狭湾において絶対に引き起こしてはならない。貴社はこれまで若狭湾で大きな津波の被害はないと説明してきたが、天正3年(1586年)の「天正大地震」で若狭湾が大きな波に覆われたという文献の存在を知りながら「隠してきた」との報道もされている。京都府民の安全を守るため、若狭湾の原発の抜本的な安全対策と従来からの原発に依存したエネルギー政策の転換について、以下の諸点を強く申し入れるものである。

 1.原発依存の電力供給、エネルギー政策を転換し、原発ゼロをめざす計画をつくること
 貴社の原発依存率は54%であり、他の9社と比べても異常に高い。原発依存の電力供給、エネルギー政策を転換し、太陽光、風力、地熱、小水力等再生可能な自然エネルギーに段階的に切り替え、原発ゼロをめざす目標と計画を策定すること。自然エネルギーの府民的な利用を拡大するために、売電者に有利な固定価格買い取り制度へと早急に改善をはかること。
 2.運転停止中の原発の運転再開を中止すること
 緊急に対処すべき問題として、政府において、今回の事故の重大な教訓を踏まえ、国際基準にも合致した新しい原発の安全基準をつくり、耐震や津波対策など原発の総点検と安全対策を実施すべきである。そのため貴社においては、運転停止中の美浜原発1号機など4基の運転再開を中止すること。
 3.若狭湾の原発周辺の断層の評価を再検討すること
 5月11日の衆院経済産業委員会で、寺坂信昭原子力安全・保安院院長は、日本共産党の吉井衆院議員の質問にたいして、「震源域の真上にある原発は、世界では承知していない。活断層から1キロ以内にある原発は、美浜発電所、敦賀発電所、『もんじゅ』がある」と答えた。そもそも震源域の真上にある原発は、世界的にも異常なのである。
 貴社の現時点の調査によると、美浜原発周辺では、マグニチュード7.7の「大陸棚外縁断層、B断層、野坂断層」地震とマグニチュード6.9の「C断層」地震、大飯原発と高浜原発周辺では、マグニチュード7.4の「FO-A断層、FO-B断層」地震が想定されている。こうした大地震が起きれば、高浜、大飯、美浜原発に重大な被害が発生することは必至である。
 原子力安全委員会は、福島原発の事故を踏まえ、去る4月28日、原発周辺の断層の評価を再検討するよう経済産業省原子力安全保安院に通知した。
 従って、貴社においても、若狭湾の原発周辺の断層評価をただちに再検討すること。
 4.原発耐震安全性の抜本的な見直をおこなうこと
 福島第一原子力発電所では、想定を上回る震度により、津波の到着以前に重大な破損が起こり、大量の放射能漏れが発生した疑いが報道されている。国の原発耐震指針の見直しについても、原子力安全委員会の専門部会が検討を始めることになっている。
 若狭湾では、マグニチュード7.7とマグニチュード7.4の大地震が想定されているにもかかわらず、美浜原発では750ガル、大飯原発700ガル、高浜原発550ガルにすぎない。貴社の原発の耐震安全性を抜本的に見直すこと。
 5.津波対策を抜本的に見直すこと
 若狭湾の原発の津波想定は、美浜原発で1.57メートル、大飯原発で1.86メートル、高浜原発で1.34メートルなどとなっている。しかし、津波への対策も、国の中央防災会議のなかで抜本的な見直しが行われることになっている。
 福井県は、3月17日に国に行った「緊急要請」のなかで、「日本海側で発生した過去の地震・津波を歴史的な見地から再検証し、今回のようなプレート境界型地震が日本海側で発生する可能性やその範囲、想定されるマグニチュード・津波の大きさ等について、本県および各県の原子力発電所の耐震安全性に反映するべき知見があるかを明らかにすること」と要望している。
 貴社においても、こうした真摯な態度であらためて調査研究を行い、津波対策を抜本的に見直すこと。
 福島原発では、地震による受電鉄塔の倒壊で外部電源が失われた。若狭湾の原発において、地震によって受電鉄塔が倒壊しないように抜本的な安全対策を講じること。地震や津波ですべての電源が喪失したもとでも、原子炉や使用済み燃料プールの冷却が継続できるようにするため、電源車の配置など電源確保の抜本対策を早急に講じること。
 6.老朽原発を計画的に廃止し、プルサーマル計画は中止すること
 老朽化した原発への不安が高まっている。関西電力の11基の原発のうち1970年代に建設し30年以上も運転している原発は7つもある。核分裂で発生する中性子に長時間照射されることによって原子炉圧力容器の強度が下がるといわれており、蒸気発生器の細管破断などの重大事故も繰り返されている。運転開始30年を越える老朽原発を運転延長すること自体大きな問題がある。直下型大地震による原発事故を防止するためにも、30年以上運転した老朽原発は計画的に廃炉すること。
 さらに、プルトニウムはウランと比べて人体に極めて危険性の高い放射性物質であり、プルサーマル計画は中止すること。