TPPは、関税の撤廃により農産物などの食料輸入が自由化されるだけではありません。労働力や金融などの輸入も自由化され、医療や介護分野にも重大な影響が出ると予想されます。
 政府の検討するTPP参加で、日本の医療には市場原理主義が持ち込まれ、最終的には世界に誇る日本の国民皆保険制度が崩壊してしまいます。
 混合診療の解禁は診療報酬によらない自由価格の医療市場が拡大し、外資を含む民間資本にとって魅力的で大きな市場が開放されることを意味します。その結果、公的医療保険の給付範囲が縮小され、社会保障が後退します。医療機器や医薬品も高騰し、所得によって受けられる医療に格差が生じます。
 また医療への株式会社参入が進み、コスト圧縮を追求することによる医療の質の低下や利益追求による不採算な部門・地域からの撤退が起こります。
 ただでさえ不況で、現在でも治療費が払えなくて月に一度の診療も来られない患者さんがいます。TPP参加はますます格差を広げることとなるでしょう。命は平等で、どんなことがあっても格差社会・格差医療は阻止すべきです。
 TPPは、「たいへんな・ピンチを招く・プラン」の略称です。絶対反対です。(「週刊しんぶん京都民報」2011年3月13日付に掲載)