京都市伏見区の市焼却灰溶融施設で、試運転中にダイオキシン類が検出され、炉内の耐火れんがも破損するなど相ついで事故が発生し、稼動が延期されている問題で、市は28日、5月中旬に試運転を再開し、8月に本格稼動する予定であると発表しました。これに対して、地元住民からは「危険な施設は稼動すべきでない」との声があがっています。
 同施設は、市の埋め立て処分場(山科区から伏見区醍醐)に04年度から整備中の施設。昨年4月の試運転で排水から基準の42倍のダイオキシン類が検出。同12月には耐火れんがに亀裂が見つかっていました。市は、施設の補修を4月までに終了し機器の安全を確認したとして、試運転を再開すると発表しました。
 同施設の稼動中止を求めて2月に市に申し入れを行った、山科社会保障推進協議会の岩井高子さん(72)は、「高濃度のダイオキシン類検出といい炉の亀裂といい、いずれも大事故につながったかもしれない大変な問題。こんな危険きわまりない施設の稼動は認められません」と話しています。
 焼却灰溶融施設は、他都市でも爆発事故などの問題を起こしてきた施設。日本共産党市議団は、安全性に問題があると施設と指摘し、一貫して稼動中止を要求しています。