和束茶手もみ保存会 和束町の「和束茶手もみ保存会」(大西巧会長)は28日、今年初の手摘みを行いました。会員のほかボランティアら約20人が約12キロの生葉を収穫し、同保存会会員10人が手もみで製茶しました。同「保存会」は、手もみ製茶の技術を伝承していくために1999年に設立され、20代~40代の若い世代を中心に37人が参加しています。
 新茶の収穫は朝5時から開始。肌寒いほどの気温でしたが、時折、太陽が顔を出し、ウグイスがさえずる中、東京からきた学生や保存会員の配偶者らが次々と新芽を摘んで行きました。初めて茶摘みに参加した茶農家の畑亜希さん(25)は、「慣れてないので難しかったです。でもお茶の香りや美しい緑に癒されました」と話していました。
 製茶は同町のグリーンティ和束で行われました。最も大切な工程がせいろで蒸す作業。「今度は45秒。あと10秒、5秒…はいっ」。秒単位で蒸す時間を管理します。蒸された茶葉はほいろ(焙炉)とよばれる台の上で横まくり、茶揃えなど約8時間かけて9つの工程を経て、製茶されます。
 和束茶手もみ保存会は、今年3月に行われた宇治茶製法手もみ技術協議大会で上位入賞を独占。その技術の高さが評価されています。大西会長は「今年は気候が不順ですが、まずまずの出来栄えです。保存会員はみんな和束が大好きな人ばかりで、次世代を継ぐ若者が増えてきており心強い限りです。職人技の和束茶を是非一度飲んで欲しい」と話しています。