京都市議選に8人の候補者を立てた京都党の村山祥栄代表(左京区候補)が3日、「京都には原発が1基もないのに、原発反対を言う党まである。一体何のための選挙なのか。首をかしげたくなる」などと述べ、原発の危険に不安を募らせる府民に敵対する暴言を吐きました。
 同日夜、左京区の松ヶ崎立正会館で行われた自身の個人演説会での発言。「選挙で、突然あちこちで他党が防災の話ばかりするようになった。もっとひどいところになると…」とした上で述べたもの。続けて「防災については、…そういう話はしないことにしている」と発言しました。
 京都府に隣接する福井県の若狭湾沿岸には関西電力などの原発が14基(全国の原発54基の26%)あり、半径80~100キロ圏にほぼ京都府全域が入ります。大量の放射能が漏れ出す東京電力福島第1原発の重大事故を受けて、「このままでいいのか」という不安が、いま府民の中に広がっています。
 「京都に原発が一基もない」のは、関電が1970年代から立地を狙ってきた久美浜(蒲井・旭地区)、宮津(田井)、舞鶴(野原)の各原発計画を、府民と日本共産党が「安全性が未確立。命と暮らしを破壊するもの」と粘り強い反対運動で阻止してきたからです。村山氏の発言は、関電の京都への原発建設計画があった事実、府民の運動がこれを阻止してきた京都の歴史の事実への無知をさらすものです。
 京都党は「京都のことは京都で決める」とアピールしてきました。「国難」ともいうべき東日本大震災のもとでの今回の選挙は、多くの国民・府民が、被災地の惨状に心を痛め、救援と復興をどう進めるか、原発事故の影響を心配し、「福祉と防災の京都をどうつくるのか」を考えています。村山氏の発言は、こうした府民の思い、「京都のこと」に全く責任を持てない立場を自ら語ったものです。(ひ)