今の政府には、農業のこと、農家の気持ちをわかっていない。TPPについて「開国を急げ」「自由化だ」と、まるでよいことのように語り、反対する私ら農家を敵扱いしていますが、これは日本の農業が壊滅するかどうかの問題です。
 某大臣が「日本のGDPにおける第1次産業の割合は1・5%。残り98・5%のかなりの部分が犠牲になっている」と発言しましたが、とんでもない。その1・5%が日本の40%もの食料供給を担っているのをわかっているのか。
 宇治市はお茶で有名ですが、コメや野菜農家も多く、ほとんどが中小規模で兼業の農家です。大規模農家を残せばいいと政府は考えているそうですが、それでは宇治茶を残す農家がほぼなくなってしまう。
 環境を守り、防災、癒やしの効果が期待される田畑と日本の食・文化を守ってきた農業を簡単に切り捨てるなんて許せません。むしろ、後継者問題や鳥獣害など、支援すべきことをきちんと支援してほしい。(「週刊しんぶん京都民報」2011年01月23日付に掲載)