京都市が15日に発表した11年度予算案に対して、日本共産党京都市議団の山中渡団長は同日、「構造改革方針を転換し、市民生活応援の予算へ」とする「見解」を発表しました。
 以下、全文を紹介します。


[団長見解]2011年度京都市予算案について~構造改革方針を転換し、市民生活応援の予算へ~

日本共産党京都市会議員団団長 山中 渡

  • 本日、2011年度予算案など111件の議案が発表されました。市長の任期最後となる予算案が、「京都未来まちづくりプラン」の総仕上げ、「生活安心・はばたけ未来予算」として提案されました。保育所新設を含む待機児解消策や中小企業に対する緊急融資制度などが盛り込まれたものの、全体としては、掲げた看板とは異なり、市民生活の安心を奪うものとなっています。高すぎる国民健康保険料の引き下げを求める市民の切実な願いを踏みにじり、1世帯当たり最高7万円もの値上げとなっています。平均保険料は据え置くというものの、加入者世帯の所得が下がる中、五割を超える世帯に値上げを押し付けるもので、断じて容認できるものではありません。また、市立病院の独立行政法人化や休日急病診療所の廃止、社会福祉関係費の自然増に対して26億円の節減を行うとしています。引き続き、社会保障切捨て路線を進むものとなっています。
  • 深刻な不況が長期化する中で、市民税収入は3年連続減少となり、2008年度から241億円の減少となりました。市民生活や中小企業を支援し担税力を高める対策が切実に求められているにもかかわらず、困っている中小企業の固定費への補助や経済効果を認めながらも住宅リフォーム制度は盛り込まれませんでした。商店街に大きな打撃となる大型商業施設のイオンモールが、キリンビール跡地に進出する計画も明らかにされました。その一方、大部分が大企業支援となっている企業立地促進助成では、さらに固定資産税の手当てを拡充するとしています。
     財源不足の179億円を解消するとして提案された内容は、市職員の給与費の削減や社会保障費の削減など、市職員リストラと市民への痛みの押し付け、市債(借金)の増額です。市債残高は過去最高の1兆2179億円に達する見込みです。市長には、財源不足を生み出した根源である国の交付税削減に対して、市民のくらし・福祉を守る立場できっぱり対決する姿勢こそ求められています。
  • 民主党政権は、自民党の元閣僚も取り込んで、消費税の増税やTPPへの参加に政治生命をかけるとしています。また、地域主権改革と称して、国の公的責任を放棄し、子ども・子育て新システムの導入を進めるなど、自民党政権でもできなかった構造改革路線を強硬に進めようとしています。財界やアメリカいいなりの政治では、国民の願う政治の転換が図れないことが、いよいよ明らかになっています。
     日本共産党市会議員団は、国民健康保険料引き下げ、子どもの医療費助成制度の拡充、住宅リフォーム助成制度の実現など、住民運動と結んで地方自治体の役割を発揮させるため、全力をあげて奮闘する決意です。